【ゴルフ】小林浩美会長 目指すは米男子ツアー「はるかに遠い目標ですが、そこに明確に挑んでいきます」

[ 2026年3月5日 05:00 ]

2026年国内女子ツアー日程
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 【小林浩美JLPGA会長に聞く・下】

 ――今年のツアーの試合数は1増の37試合。NTTドコモビジネス・レディースと富士通レディースは4日間になる。
 「とてもありがたいですし、凄くうれしいです」

 ――4日間の試合を増やしたことが、日本選手の米ツアーでの活躍につながっている?
 「そこが最大のポイントでした。海外メジャーをはじめ、米ツアーは4日間大会が主流。日本ツアーで3日間の試合が大半の時代に、4日間の試合をたまにやったりすると、選手は戸惑うことが少なくありませんでした。4日目の戦い方、体力、予選日の午後スタートでの対応力など…。いきなり、やらなければならないことが目の前に迫ってくる。でも、4日間の試合を日頃からこなしていれば、自分の日頃のペースを変えずにプレーに集中できます。つまり、より自分の力を発揮しやすくなる。加えて4日間の試合が増えるたびに、賞金のアップをお願いしてきたので、おかげさまで賞金が年々上昇することにもつながり、選手の収入面も大きく改善されてきています」

 ――今年の賞金総額は5億5千万円増の約50億円となった。
 「賞金総額の平均は今年1・3億円を超えました」

 ――会長就任時の12年の総額は約30億円。それから右肩上がりに成長して、実に20億円近くもアップしている。
 「大会スポンサーのみなさまのご理解と、ご支援のおかげです。そして、選手が結果を出していることがとても素晴らしい!」

  ――今年、協会として取り組む施策は?
 「第5期中期経営計画の“JLPGA2028ビジョン”にある組織基盤の基礎固めと、新たなステージに向けてのJLPGAの価値向上です。また、JLPGA10年ビジョンとして“女子プロゴルフをさらなるエンターテインメントの世界へ”を策定しました」

 ――それはどういうこと?
 「10年ビジョンでいえば“目指せ(米男子の)PGAツアー”です。はるかに遠い目標ですが、世界の強い選手が集い、エンターテインメント性も世界のゴルフ界ではPGAツアーがNo・1。そこに明確に挑んでいく」

 ――その目標に向かってどのようなことを行っていくのか?
 「結局、エンターテインメントというのは、感動とかワクワク感とか、そういうものをファンのみなさまに感じていただくことだと思っています。そのアプローチの仕方はさまざまです。まず、私たちはプロスポーツですから、強くなければ振り向いてもらえません。ですので、強い選手をたくさん輩出するツアー強化策をずっとやってきました。また、ゴルフそのものをもっと知っていただき、さらに楽しんでいただきたい。より多くの方々にゴルフというスポーツを楽しんでいただくためにジュニアゴルフ普及活動“Hello!Golf”や女性雑誌とのコラボ企画、そして大会会場で試験的に実施していることなどがあります。エンターテインメントはとても幅広いです」

 ――具体的にどのようなことを考えているのか?
 「例えば日本は会場のWi―Fi環境が、まだまだ充実していません。そういうところを整備しながら、ファンのみなまさにデータや映像など楽しんでもらえることを増やして、選手のプレーの凄さやトーナメント会場の楽しさなどにつなげていきたい。また“Hello!Golf”では、大会会場近隣の小中高生を招待して、プロの試合を観戦する感動体験やボランティア体験、スナッグゴルフ体験などを実施。またシニア層へは、ゴルフは認知機能向上にも役立つツールの一つなので、ゴルフを知らない方々への幅広い訴求も頑張りたいです」

 ――主催権の問題は?(27年には、すべてのトーナメントの主催権をJLPGAが持つことになっている)
 「日本ツアーの座組みは、その成り立ちから欧米のようなツアーの座組みとは異なっています。私たちが目指しているところの大きなものの一つは、個別の大会ではなかなかやることが難しいことを、JLPGA側が実施して、ツアー全体のさらなる価値向上を図ることです。これまでもツアー強化策やツアー一括でのインターネット配信、羽田空港でのツアー全体のプロモーション広告、トーナメントなどのテレビ情報番組などJLPGAだからこそできる施策に取り組んでいます」

 ――放映権については、既存の主催者の理解がないとできなかった。
 「おかげさまで、22年からツアーの公認競技の放映権はすべてJLPGAに帰属させていただきました。24年からは放映権料もいただいています。それを、トーナメントの次戦の練習日に間に合うように選手のゴルフバックを送る大会間配送や栄養面を考慮した補食サービスなどで、選手に還元しています。また、ツアー強化策やツアー全体の価値向上への施策などへも投資しています」

 ――JLPGAがツアーの付加価値を高めることで、個々のトーナメントの価値も高まる?
 「各大会の関係者のみなさまは、すでにさまざまな工夫を重ねて、特徴のある大会にしてくださっています。それに加えて、JLPGAがツアー全体でできることを行うことで、さらなる価値を生むと考えます。例えば、3年目になる羽田空港の搭乗エリアでの年間通したツアーのつり天井広告PRは、私たち協会側で実施させていただいています」

 ――ツアーの魅力を高める施策は他にもある?
 「JLPGAの公式SNSでは、大会期間中、毎日情報を発信しています。現在83万フォロワー数を獲得し、その成長率はスポーツ界でトップランクです。選手の素晴らしいプレー映像をインターネット配信映像から抜き出し、どんどんアップしています。以前はそれをやりたくてもできませんでした。テレビ放送が主流の時代は、その映像を自由に使えるのは制作、放送されているテレビ局さまだけだったからです。今はJLPGAに放映権が帰属し、各大会のインターネット配信映像はJLPGAが制作しているので、配信映像については、いつでも広く自由に活用できるようになり、どんどん発信できています」

――そうした流れを加速させていく?
 「各大会のみなさまと私たちJLPGAが一緒になって、ツアーの価値を高めることをツアー全体で実施していきたい。それがさらなる魅力につながると考えています」

 ――具体案は?
 「JLPGA内では、事業部ごとに重点項目を決めて、何をどうやるか、毎月理事会の後にPDCA(計画・実行・評価・改善)を回してやっています」

 ――組織内では既に“目指せPGAツアー”に向けて、動き出している?
 「そうですね。“女子プロゴルフをさらなるエンターテインメントの世界へ”というのは非常に大きなテーマですから、一つずつ着実に進めていきたいです。やることがいっぱいあります」

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