【ゴルフ】小林浩美会長「原英莉花さん、力は十分ある。渋野日向子さんも良くなっている」
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【小林浩美JLPGA会長に聞く・中】
――昨年は米ツアーに過去最多の13人が挑戦し、西郷真央選手と山下美夢有選手がメジャーに勝った。
「凄いなと思いました。6人が優勝して、4人は初参戦。まず、米ツアーの環境になじむことに苦労した私の現役時代からは考えられないこと。しかもメジャーで2勝。シェブロン選手権で勝った西郷さんは2年目。全英女子オープンで勝った山下さんはルーキー。本当に凄い」
――山下選手は米ツアーの環境にもうまく溶け込めた?
「山下さんは練習がストイックで凄い。お父さまがコーチで、いろいろな機器とデータを使って、アドバイスをされている。理論と感覚だけではまだ十分とは言えない。そこに、スイングが数字と紐(ひも)付いているから安定度が高い。全英女子オープンのコースはシビア。方向性と距離感をきっちり計算して、マネジメントしないといけない。単純にショットの精度と言いますが、世界レベルの精度が必要。やりたいスイングにおいて、自分の感覚を数字に変換して、よりしっかりとプレーに出せる選手じゃないと難しい。山下さんの強さの大きなところは、そこだと感じます」
――日本選手のデータを見るとバーディー数が凄い。JLPGAが、国内ツアーでスコアを伸ばすセッティングを意識してやってきたことが、その数字につながっているのか?
「それは、てきめんに感じます。海外の選手は試合で躊躇(ちゅうちょ)なくスコアを伸ばしてくるのに、ツアー強化前は、日本選手はビッグスコアがなかなか出ず、スコアの伸ばし合いになると置いていかれる傾向にありました。日本で20アンダーを出すセッティングをあえてやっているのは、選手にいいスコアを出すだけ出す、という気持ちになってほしいから。争っている相手が、凄いスコアを出しても“私もその数字を出せるよ”とひるまずに戦うことが大事。山下さんは日本で12アンダー(※)を出したこともある。日本でそういう数字を出していれば、米国でそういう状況になった時にドキドキしません」※22年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで、初日にツアー最少ストロークの60(12アンダー)をマークし通算18アンダーで完全優勝。
――山下選手の米ツアー2勝目は、8打差逆転だった。
「どこに、どういうチャンスがあるか分からないから伸ばせるときに伸ばす。山下さんは、それを普通に日本でやっていた」
――それが米国でもできた。
「岩井(明愛)さんが(優勝)インタビューの時に“私は何も変わっていません。同じ感じでやっています”と話していたそうですが、つまりそういうことだと思います」
――今年は原英莉花選手が米下部ツアーから勝ち上がって米ツアーに挑む。
「米下部ツアーは、米ツアーとは選手を取り囲む環境が大きく違って、大変な苦労もあったと思います。そこで、結果を残して米ツアーの切符を獲得して本当に良かったです。元々、原さんは日本で結果を残して行っているわけですから、力は十分にある。でも、日本のシード権を捨てて、退路を断って行ったコミットメント力。それは覚悟の表れですね。今年出る米ツアーは、環境が良いですから“めっちゃ良いよね、ここ”と思って、勢いが増しそうですね(笑い)」
――彼女も期待する選手の1人?
「そうです。(同じ黄金世代の)勝みなみさんも惜しいところ(※)までいきましたし」※昨年10月のビュイックLPGAでプレーオフの末に2位。
――渋野日向子選手も米ツアーの出場権を得た。
「良くなってますよね。昨年会ったときに“思い切りが良いのが渋野さんの強みだから、その思い切りの良さを出して頑張って”とお話しました。今年は朗報を期待しています!」
――今年は桜井心那選手も挑戦する。
「思い切りが良いし飛距離も出て、ゴルフが大きい。ステップで年間5勝した頃に、プロアマ戦で一緒に回ったゴルフの印象が凄く良く、すでに頭一つ抜けていました。JLPGAツアー5勝でさらに強さが増しています。米ツアーでの大きな活躍が待ち遠しいです」
――今季は最多15人の日本勢が挑戦する。
「大暴れを期待しています。みんな頑張れ!」
――今年は台湾で48年ぶりにJLPGAツアーを開催する。その目的は?
「ツアー強化の一環です。選手の対応力の幅を広げることが一番。日本でしかやっていないと、日本の環境しか分かりません。でも海外に行けば、ゴルフを取り巻く環境が違うことを認識できますし、その地域の方々や異なる文化にも触れられます。それによって対応力もキャパシティーも広がる。海外ツアーでは、他ツアーとの共催は普通にあります。日頃から互いに切磋琢磨(せっさたくま)することで、選手が力を伸ばす。それがツアーの強化につながります。それに、台湾や台湾選手との交流の歴史は長いし深い。だから、台湾の方々から大変素晴らしいお話をいただいて、共催大会が実現して、本当に感激です」
――将来的には海外との共催を増やしたい?
「チャンスがあればやりたい。ただ、こちらから行くとなると、次の試合にも影響するので、スケジュール次第です」
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