【玉ノ井親方 視点】大一番の2敗対決 大の里が右を差して走ることができれば波乱はない

[ 2025年11月20日 19:45 ]

大相撲九州場所12日目   ○大の里(寄り切り)王鵬● ( 2025年11月20日    福岡国際センター )

<大相撲九州場所12日目>王鵬を下し懸賞金を受け取る大の里(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 前日11日目に苦杯を喫した大の里と安青錦が、危なげなく白星を奪って、首位の3人が2敗を守った。

 大の里はこの1年、3勝3敗と五分の王鵬と対戦。勝因は右下手。過去、王鵬に負けた取組は下から突き上げられて、上体を起こされ押し込まれた。この日も喉輪で起こされかけたが、命綱の下手を離さず、すぐに態勢を立て直して左でおっつけながら前に出た。

 前日の隆の勝戦は足を滑らせるような形であっけなく土俵に腹ばいになったが、負けた相撲を引きずることなく力強い相撲を取った。王鵬が突き放してくるのを想定して、まわしを取りにいったようだが、よく考えて取ったと思う。

 安青錦は馬力のある押し相撲の力士を苦手にしている、この日は相手が突っ込んでくるタイプではなく、組んでくる欧勝馬だったことが幸いした。立ち合いから低い姿勢で当たってすぐに左を差すと、出し投げを打ちながら相手の態勢を崩して、最後は浴びせ倒した。安青錦らしいしぶとい相撲だった。

 トップに並ぶ3人の中では豊昇龍が一番気迫あぶれる相撲を取った。高安にまわしを取られないように上体を突き上げながら、途中で左がのぞく場面もあったが、まわしにこだわらず押していって勝負を決めた。

 顔を張られてカッとなった様子も見られたが、その燃える思いを力に変えて最後まで厳しい攻めを貫いた。

 いつも言うように優勝争いは13日目からの3日間が勝負。そこをどう乗り切るが重要なポイントだ。一番疲れが出てくる時期だし、精神的にもかなりの重圧が襲ってくる。

 あす13日目は大の里と安青錦がぶつかる。安青錦にとっては馬力のある横綱のような力士は一番苦手なタイプだろう。過去2戦2敗の成績がそれを物語っている。安青錦が勝機を見いだすには、立ち合いで思い切り当たって横綱の懐に入って食らいつくことだ。

 手が先に出るような立ち合いでは一気に持っていかれる。義ノ富士のようないっぺんに前に出ていく相撲が理想。ただ、そういう安青錦の取り口を見たことがない。だからこそ、相手が驚くような相撲を取ってみるのも面白いかもしれない。

 一方の大の里にとっては、ライバルの豊昇龍がここに来て勢いのある相撲を取っているだけに負けられない一番。安青錦にまわしを許さず、立ち合いから右を差して一気に走ることができれば、波乱なく勝負を決められるはずだ。(元大関・栃東)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2025年11月20日のニュース