豊昇龍 奇襲は通じず 付け人に「もう1回、こう行けば」 横綱初優勝は大の里に先着許す

[ 2025年9月28日 18:57 ]

大相撲秋場所千秋楽 ( 2025年9月28日    両国国技館 )

<大相撲秋場所千秋楽>豊昇龍(手前)を寄り倒しで破る大の里。土俵際は…(撮影・松永 柊斗)
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 大の里が13勝2敗で並んだ豊昇龍との横綱同士の優勝決定戦を寄り倒しで制し、2場所ぶり5度目の優勝を果たした。横綱昇進後は初制覇。本割では1差で追っていた豊昇龍に押し出された。

 本割は豊昇龍の快勝だった。立ち合いをもろ手突きで先行し、大の里の胸、復部を押して追撃。左へ回り込むのを逃さず押し出した。

 約10分後の優勝決定戦。今度は立ってすぐ左上手を狙った。得意とは逆からの「奇襲」だろうか。深い位置をつかめたが、大の里に得意の右差しを許したため上体が起きた。後退しながらの投げだけに土俵際では自身の体も飛んだ。軍配は大の里。大の里の左足が返っていたのでは?と物言いがつき、協議した結果、返っていなかった。

 28年ぶりの逆転劇を逃した。横綱同士の直接対決で本割、決定戦に連勝しての優勝なら1997年夏場所で貴乃花を破った曙以来。風呂上がりの支度部屋では自ら報道陣に「×」マークを両腕で作って取材対応しなかった。

 それでも付け人に「(左上手を)取りにいこうと決めていた」。苦笑いでこぼすと、もろ手突きの仕草をしながら「もう1回、こう行けば…」と後悔を語った。八角理事長(元横綱・北勝海)は「豊昇龍は上手が深かった」と指摘した。左へ動いて上手を引いたが、まだ手前なら上体も起きずに投げが決まったと見立てた。髪を結い直す間、支度部屋のモニターに表彰式の模様が映し出されると、スイッチを消させた豊昇龍は去り際、報道陣に「お疲れさまでした」と発した。

 立ち合いの変化で前日勝利し、大の里との1差を守って迎えた。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)は取組前、「お客さんは残念と思うでしょうが勝負ですから」。弟子による、千秋楽前の優勝決定を回避した選択を擁護した。その上で、「(批判は)本人も承知の上。明るい顔をしていた」と吹っ切れた心境を物語った。

 体調万全には遠かった。7月の名古屋場所は左足親指の捻挫と骨挫傷で5日目から休場した。昇進3場所目で途中休場は2度目だった。復帰した夏巡業では、8月23日の新潟巡業で大の里と連続10番取った三番稽古で左肩を痛めた。今場所前はギックリ腰を起こし、39度の発熱を起こしたこともあった。

 それでも出場を訴えた。「途中で休めないよ」。師匠・立浪親方(元小結・旭豊)が退路を断つよう覚悟を求めると、毎朝入念にストレッチをして取組へ向かうようになった。大関獲りも綱獲りも初優勝も先んじた豊昇龍だが、横綱初優勝では大の里に後れを取った。1学年後輩とのライバル物語は、まだまだ続く。

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