大の里は故郷の期待を背負ってさらなる精進を

[ 2025年9月3日 06:00 ]

化粧まわしを返還した大の里(左)(撮影・中村 和也)

 【元横綱稀勢の里コラム 二所ノ関寛の寛(くつろ)ぎのひととき】

 まだまだ残暑厳しい日々が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。今夏は「地元」の温かさ、ありがたさを感じる機会がありました。

 8月上旬に青森県藤崎町を訪れました。同町出身で「相撲の神様」と言われた往年の名大関、大ノ里の故郷。弟子の大の里=写真=がデビューしてから応援してもらっています。8月20日の青森巡業前日には、横綱昇進報告会を開いていただきました。大の里は石川県出身ですが、実は藤崎にも後援会ができました。力士の出身地以外で個人後援会があるのも珍しいことですし、感謝の言葉はつきません。相撲どころの青森、大ノ里さんが生まれて100年以上たっても人気は高く、すごいことだと思っています。大の里もそういう力士になってもらいたいと改めて思いました。

 8月25日の金沢巡業の前日には大の里が土俵入りで使用する化粧まわし贈呈式がありました。贈り主は横綱のお父さんが勤務する運送会社「北陸貨物運輸」。贈呈式は同社の駐車場に会場が特設され、ステージはトラックの荷台でした。大の里も子供の頃から顔を出していたようで、山田会長にもよくしていただき、三つぞろいを作っていただきました。大の里本人にとってもひと味違うものになったのではないでしょうか。横綱の締めるものには「我即宇宙 宇宙即我」を入れました。宇宙は無限な空間でもありますし、そこと大の里がつながるという、かなり壮大な言葉です。大の里が動けば、宇宙も動く――。そういう力士を目指す意味合いを込め、お願いしました。太刀持ちの図柄には出身地の津幡町と母校、海洋高校のある糸魚川市が地図上で光るデザイン。これも奇抜です。まさしく大の里にふさわしい、スケールの大きさを感じます。故郷の期待を背負ってさらなる精進を期待します。

 故郷といえば8月29日には私の出身地、茨城県牛久市で巡業が開催されました。現役時代には開催されなかったので、盛大な盛り上がりには格別の思いがあります。会場となった体育館は運動公園内にあり、よく遊んだ場所。部屋から車で5分のところでしたので、今までとは違う感情が込み上げてきました。土浦市出身の高安の人気は相変わらず凄いものがありました。悲願の初優勝で茨城県民を喜ばせてもらいたいものです。 (元横綱・稀勢の里)

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2025年9月3日のニュース