最強研修生オチルサイハンが秋場所新弟子検査受検へ 伊勢ケ浜部屋入りから4年半…既に三役級の実力

[ 2025年9月3日 17:22 ]

伊勢ケ浜部屋のオチルサイハン(24年7月撮影)
Photo By スポニチ

 日本相撲協会は3日、秋場所(14日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査に3人が受検すると発表した。検査は5日に国技館内で行われる。

 “史上最強の研修生”としておなじみのバトツェツェゲ・オチルサイハン(23=伊勢ケ浜部屋)が、待ちに待ったデビューの第一歩を迎える。伊勢ケ浜部屋での生活を始めて4年半、ようやく新弟子検査を受検できることとなった。合格すれば興行ビザ取得を待って翌九州場所で前相撲から初土俵、来年初場所で序ノ口デビューとなる。

 モンゴル出身のオチルサイハンは2018年春に来日し、神奈川・旭丘高に相撲留学。2学年上の先輩には、チョイジルスレン(現幕内・阿武剋)とダライバートル(現新十両・旭海雄)がいた。同学年にもモンゴル人留学生がもう一人おり、高校時代は団体戦の出場機会に恵まれなかった。さらに3年時はコロナ禍で大会が軒並み中止となったため、出場できた全国大会は2年時の国体と3年時の全国高校選手権(元日相撲)のみ。2年時の国体は神奈川県チームの先鋒として出場し、5戦全勝で団体戦ベスト8に貢献した。高校総体の代替大会として開催された3年時の元日相撲では、3回戦で延原闘真(現幕下=二子山部屋)にはたき込みで敗れてベスト32だった。

 2021年春に伊勢ケ浜部屋入り。大相撲デビューに備えて日々稽古に励むも「外国出身力士は1部屋1人まで」という日本相撲協会のルールによってここまで4年半の年月を費やすこととなった。昨年4月から宮城野部屋の一時閉鎖、転籍によって同部屋に所属していたモンゴル出身の聖白鵬が伊勢ケ浜部屋所属となったが、これは「宮城野部屋所属の一時預かり」という解釈に。今年1月の照ノ富士(現・伊勢ケ浜親方)引退に伴い、伊勢ケ浜部屋の外国出身力士枠が空いたことでデビューのめどが立った。それから相撲協会の面接を受け、正式な研修期間を経て新弟子検査申し込みに至った。

 部屋の稽古では約3年前から関取衆の申し合いに混じっており、尊富士や伯桜鵬ら幕内力士たちと互角以上に渡り合っている。「オチル」の愛称で親しまれ“史上最強の研修生”として相撲ファンの間でも広く知られている存在。一昨年の2月には出稽古に訪れた大関昇進前の霧馬山(現・霧島)を圧倒して周囲を驚かせ、今年名古屋場所前の稽古でも三役以上の力を示していた。
 デビュー前とはいえ、伊勢ケ浜部屋での生活は早5年目。相撲部屋での生活歴でいえば尊富士や伯桜鵬よりも長く、自身を含め現在34人いる部屋の力士の中で11番目の“古株”にあたる。同学年の幕内・熱海富士は同期生のような存在で、以前から「同級生で仲良い。翠富士関と錦富士関みたいな感じで2人でやっていければ」と切磋琢磨していくことを思い描いていた。オチルサイハンの新弟子検査受検が決まると「なかなかデビューできなくてかわいそうなところもあった。うちの“最終兵器”もようやくデビューですよ…」と感慨深げに話していた。

 初土俵時点での実力は、長い大相撲の歴史上でおそらく“最強”。一気に番付を駆け上がって数々のスピード記録を塗り替えていくことが容易に想像できる。序ノ口デビューからの連勝は佐久間山(のちの小結・常幸龍)の27連勝が最高記録。付け出しを除く最速新十両は高鐵山、土佐豊、常幸龍、炎鵬の所要6場所。最速新入幕は常幸龍、尊富士、安青錦の所要9場所。最速新三役は安青錦の所要12場所が歴代1位。これらをいくつ塗り替えていくのか、今後どのような力士になっていくのか。無限の可能性を秘める“最終兵器”が、ついに大相撲の世界へと一歩を踏み出す。

 また、モンゴル出身のガンバト・オトゴンバト(21=玉ノ井部屋)と岩手県出身の伊藤光希(18=押尾川部屋)も新弟子検査受検を申し込んだ。高知・明徳義塾高―東洋大を中退して角界入りしたオトゴンバトは、昨年の全国大学選抜十和田大会優勝、全国選抜大学実業団刈谷大会優勝などの実績を持つ。付け出し資格の対象となる全国学生選手権と全日本選手権ではベスト16以内に入っていないため、オチルサイハンと同様に九州場所で前相撲、来年初場所で序ノ口デビューとなる。伊藤光希は八幡平市立西根一中3年時に全国都道府県中学生選手権16強、平舘高2年時に全国高校総体16強、全国高校選抜大会8強などの実績を残した。今年3月に高校を卒業し、実業団の強豪・三研ソイルに入社。7月の東日本実業団選手権では中堅として出場した団体戦で3位入賞に貢献した。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2025年9月3日のニュース