新体操団体総合 世界選手権で初の金メダル パリ五輪逃した低迷からロスへ最高の一歩

[ 2025年8月25日 04:50 ]

新体操 世界選手権第4日 ( 2025年8月23日    ブラジル・リオデジャネイロ )

金メダルを獲得し、表彰式で歓喜の日本代表。(左から)花村夏実、三好初音、鈴木歩佳、田口久乃、西本愛実、稲木李菜子(AP)
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 団体総合で日本が初の金メダルを獲得した。1975年と2019年の銀メダルを上回り、五輪種目の「総合」では個人も含めて初の快挙。リボンは3位、ボール・フープで1位の得点をマークし、合計55・550点で地元ブラジルを0・300点上回った。団体は今季W杯で2度2位に入るなどメダル獲得が期待されていた。24年パリ五輪で5大会連続の出場を逃した低迷を乗り越え、28年ロサンゼルス五輪に向けて最高の第一歩を刻んだ。

 会心の演技で2種目を終えたフェアリージャパンに、ブラジルの観客から歓声が降り注いだ。フロアで涙する選手、ガッツポーズで感情を爆発させる選手もいる。主将の鈴木は感極まってマットに口づけ。「やり切れてホッとした。いろいろな方々のおかげで獲れた金メダルでうれしい」。誇らしげに金メダルを掲げた。

 最初のリボンで観客の心をつかんだ。沖縄からの移民が多いブラジルを意識し「島唄」を演技曲に採用。6月には石垣島合宿を行い、伝統舞踊エイサーの手の動かし方を学んだ。高々と放り投げたリボンを両足でつかんでフィニッシュ。勢いに乗って迎えたボール・フープで得点を伸ばし、快挙につなげた。

 昨夏、五輪出場が途切れた。25歳の鈴木は「99%」引退を考えたという。それでも失意の中でパリの戦いをテレビ観戦し「好きな体操を続けたい」と現役続行を決断した。試練もあった。村田由香里強化本部長の指導法を巡って、選手が強化合宿から「脱走」する騒動が勃発。一時本部長が不在となる中、主将として結束に努めた。

 メンバーは1年の大半を合宿で過ごす。石垣島では全員で一軒家に泊まった。練習漬けの中で月に1度「フェアリー会」と題してオフの計画を立てた。例えばバーベキューやカラオケ。年齢差は約10歳も仲は深まった。五輪出場経験のあるベテランと怖いもの知らずの若手の融合が新たな歴史を紡いだ。群雄割拠の新体操界。新生フェアリージャパンが、28年ロサンゼルス五輪に向けて最高のスタートを切った。

 ◇花村 夏実(はなむら・なつみ)2008年(平20)7月12日生まれ、長野県出身の17歳。所属先は松本国際高とWingまつもとR.G.。1メートル69。

 ◇三好 初音(みよし・はつね)2009年(平21)6月25日生まれ、香川県出身の16歳。チーム最年少メンバー。所属先は観音寺総合高と観音寺RG。1メートル65。

 ◇鈴木 歩佳(すずき・あゆか)1999年(平11)9月27日生まれ、岐阜県出身の25歳。東京五輪に出場。現チームで主将を務める。所属はミキハウス。1メートル64。

 ◇田口 久乃(たぐち・ひさの)2006年(平18)9月15日生まれ、千葉県出身の18歳。所属先は東女体大と安達新体操クラブ。1メートル63。

 ◇西本 愛実(にしもと・めぐみ)2007年(平19)9月26日生まれ、愛媛県出身の17歳。所属先は昭和学院高とEstella RG。1メートル62。

 ◇稲木 李菜子(いなき・りなこ)2003年(平15)4月22日生まれ、熊本県出身の22歳。所属先は国士舘大とみどり新体操クラブ。1メートル61。

 ▽新体操の団体総合 1チーム5人で構成され、「全員が同じ手具」と「2種類の手具を3人と2人」での2種目の合計点で争う。今大会は全員がリボンを使う種目と3個のボールと2つのフープを使う種目の組み合わせで実施された。パリ五輪はフープとリボン&ボール、21年東京五輪はボールとフープ&クラブだった。「フェアリージャパン」は新体操日本代表の愛称。

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