フリースタイル86キロ級・石黒隼士は初戦突破 “レスリング界のメッシ”討ち金メダルへ完勝デビュー

[ 2024年8月8日 18:45 ]

パリ五輪第14日 レスリング ( 2024年8月8日    シャンドマルス・アリーナ )

<パリ五輪・レスリング男子フリースタイル86キロ級1回戦>相手を攻める石黒(撮影・岡田 丈靖)
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 男子フリースタイル86キロ級の石黒隼士(24=自衛隊)が8日、1回戦で23年アフリカ選手権優勝のファテフ・ベンフェルジャラ(アルジェリア)を下し、準々決勝に進出した。

 序盤から積極的に攻めた石黒。前半を7―0で折り返すと第2ピリオド12秒でテクニカルスペリオリティー勝ち。11―0の完勝で最高の五輪デビューを果たした。

 勝ち上がれば決勝で激突する“レスリング界のメッシ”ことヤズダニ(イラン)を倒して金メダルという野望を胸に、初五輪で文句なしの1勝を挙げた石黒。ヤズダニは1つ下の階級でリオ五輪金、86キロ級で世界選手権連覇、東京で銀の超実力者。24歳の挑戦が始まった。

 石黒は6月に行われた自衛隊の壮行会で「私の階級にはレスリング界のメッシみたいな選手がいる。99%勝てない。ただ、私は空気が読めないことで、今までたくさんの方にご迷惑をお掛けした。今回ばかりは空気の読めなさを強さに変える。つまり優勝して帰ってきます!」と力強く宣言していた。

 ◇石黒 隼士(いしぐろ・はやと)1999年(平11)8月23日生まれ、東京都出身の24歳。埼玉・花咲徳栄高時代の2016、17年にインターハイと国体の84kg級で2連覇。日大へ進み、2018年に79kg級で全日本学生選手権1年生王者に輝き、その後の世界ジュニア選手権でも優勝。ジュニアの年齢区分が18~20歳となった1997年以降、日本の男子選手として両スタイルで初めてのジュニア世界一となった。19年から86キロ級で闘い、U23世界選手権3位、全日本大学選手権優勝、全日本選手権2位と躍進。20年は全日本大学選手権で勝ち、全日本選手権初優勝。21年はアジア選手権5位を経て、全日本選抜選手権を制し、世界選手権初出場を決めた(15位)。21年全日本大学選手権優勝のあと、負傷で戦列を離れたが、22年国体で復活優勝。2022年全日本選手権と23年全日本選抜選手を制して2年ぶりに世界選手権の出場権を獲得。23年世界選手権は4回戦で敗れて13位。同年の全日本選手権で、オリンピック4度連続出場を目指す高谷惣亮を破り優勝。24年4月のパリ五輪アジア予選を勝ち抜き出場枠を手にした。同年6月の「イムレ・ポリヤク&ヤノス・バルガ国際大会」(ハンガリー)で銅メダル獲得。97キロ級で活躍していた石黒峻士は兄で、21、23年に兄弟での世界選手権出場。
 

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