文田健一郎「月並みですけど…今まで獲ったどのメダルよりも重くて…」金メダルにキス 万感の表彰式

[ 2024年8月7日 04:34 ]

パリ五輪12日目 レスリング ( 2024年8月6日    シャンドマルス・アリーナ )

<パリ五輪 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級決勝>金メダルを手にする文田(撮影・小海途 良幹)
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 男子グレコローマンスタイル60キロ級は6日、東京五輪銀メダリストの文田健一郎(28=ミキハウス)が決勝で曹利国(中国)を4―1で下し、悲願の金メダルに輝いた。悔し涙を流した東京五輪から3年。スタンドで声援を送り続けてくれた愛する妻と娘の前で、東京五輪の“忘れ物”を取り返した。また、グレコローマンの五輪金メダル獲得は、1984年ロサンゼルス五輪52キロ級の宮原厚次以来。40年ぶりに歴史の扉をこじ開けた。

 メダルセレモニーでついに手にした金メダルにキスをした文田。そして表彰台の一番高いところで聴いた君が代、そして見上げた日の丸に「自分自身が勝って流す君が代だったんで、今まで聴いてきた、どこで聴いた国歌よりも体にしみ込んだというか…一音一音も聞き逃さないぞという気持ちで目と耳に焼き付けました」と感慨深げに語った。

 悲願の金メダルの重み。「このめだるが何グラムか分からないですけど、月並みですけど今まで獲ったどのメダルよりも重くて、それはこのメダルだけの重さじゃなくて、凄い長い時間をかけてこのメダルを目指してきたので、その時間とか、そこで感じたことっていうのが今、この首に掛かっているんだな、と思いました」と柔らかな笑みを浮かべた。

 長い苦難の道を支えてくれたのは「一番は家族。家族の存在がなかったら、恐らくもう一回目指そうと思わなかった。でもずっと横で奥さんが支えてくれて、娘が生まれて、娘のためにもっていう気持ちもできて。競技以外のところで僕の競技を支えてくれる人が身近にいるのは特別な出来事。感謝をしてもし尽せないけど、このメダルを見せて少しでも良かったと思ってもらえたら最高です」と家族に改めて感謝の思い。指導を受けた父親に対しても「父とロンドンで米満先輩が金メダルを獲る瞬間を見て、本気であそこに立ちたいと思って、今日(長いが)かなっているのが不思議。しかも父が観客席にいてくれて…長かったですけど、この瞬間をしっかりと共有したい」と万感の表情を見せた。

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