文田健一郎“東京の忘れ物”金メダルつかみ取った! 涙の決勝から3年…笑顔のグレコ40年ぶり五輪頂点!

[ 2024年8月7日 03:05 ]

パリ五輪12日目 レスリング ( 2024年8月6日    シャンドマルス・アリーナ )

<パリ五輪・レスリング男子60キロ級決勝>金メダル文田(撮影・岡田 丈靖)
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 男子グレコローマンスタイル60キロ級は6日、東京五輪銀メダリストの文田健一郎(28=ミキハウス)が決勝で曹利国(中国)を4―1で下し、悲願の金メダルに輝いた。悔し涙を流した東京五輪から3年。スタンドで声援を送り続けてくれた愛する妻と娘の前で、東京五輪の“忘れ物”を取り返した。また、グレコローマンの五輪金メダル獲得は、1984年ロサンゼルス五輪52キロ級の宮原厚次以来。40年ぶりに歴史の扉をこじ開けた。

 忘れ物を取りに行く――。金メダル獲得だけを目指して降り立ったパリで、3年前の決勝と同じ赤のシングレット姿の文田が悲願を成し遂げた。気迫みなぎる表情でマットに上がり、序盤から優勢に進め開始2分で3―0とリード。そのまま第2ピリオドへ。後半50秒で相手に1ポイントも、それ以上の失点は許さず。相手の反撃を最後まで押し切り、ついに悲願の金メダルを決めた。

 前日の初戦から連続でテクニカルスペリオリティ勝ち。準決勝では昨年の世界選手権で敗れた相手に4―3と激闘を制し、一夜明けて迎えた「決勝」の舞台でも文田の強さは変わらず。勝利後はスタンドを見回し、何度も頷きNo.1ポーズ。その後、日の丸を掲げ笑顔でマットを1周し、最後はマットの中心で人差し指を天に突き上げた。

 悲願達成。金メダルを手にした心境を聞かれると、数秒の沈黙の後「一番は3年前の決勝のことを今凄く思い出します。本当に紆余曲折あって…本当に経験したことない苦しい期間があって。でも、それと同じくらい楽しいこともあって、トータルしてプラスが上回っていたので、今回優勝できたのかなと思います」と語った。

 ◇文田 健一郎(ふみた・けんいちろう)1995年(平7)12月18日生まれ、山梨県出身の28歳。山梨・韮崎工高、日体大を経て、18年4月からミキハウス所属。中学で本格的に競技を始め、高校時代は父・敏郎さんが監督を務める韮崎工で史上初のグレコ高校8冠を達成。16年全日本選手権を初制覇し、17、19年世界選手権を制覇。21年東京五輪は銀メダル。日体大では男子フリースタイル57キロ級の樋口黎と同期。家族は妻・有美さん、長女・遙月ちゃん。

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