ウクライナが今大会初の金 フェンシング女子サーブル団体 声援に感謝「ありがとう、パリ」

[ 2024年8月4日 18:38 ]

フェンシング女子サーブル団体で金メダルを獲得したウクライナチーム(AP)
Photo By AP

 ロシアからの軍事侵攻を受けているウクライナが、パリ五輪で今大会初の金メダルを獲得した。

 3日(日本時間4日)に行われたフェンシング女子サーブル団体決勝で、世界ランク3位のウクライナは韓国を45―42で破り、この種目では08年北京大会以来、4大会ぶりの金メダル。3点を追う最終第9ゲームで、オリガ・ハルランが8得点を固め打ちし、大逆転で頂点に立った。

 ハルランはマスクを脱ぎ捨てて膝をつき、歓喜の瞬間を実感した。しばらくして立ち上がると、ウクライナ国旗に包まれたピストで、チームメートたちとの祝福の輪へ加わった。

 22年2月20日に北京冬季五輪が閉幕。ロシアのプーチン大統領がウクライナへの特別軍事作戦を命じたのは、そのわずか4日後だった。それから2年半、いまだに戦いは続いている。ハルランは今も前線で戦う兵士たちを思い、モチベーションにつなげたという。自分の感情を「ロボットのように」押し殺して戦った決勝。「信じられませんでした。「みんなが“オリガ!オリガ!”と叫んでいる。美しい。ありがとう、パリ」。パリの声援にも後押しされた。

 ハルランは昨年の世界選手権で、ロシア選手との握手を拒否したとして失格になった。「1年前、失格になったため、フェンシングをやめるところだった」。それでも、剣を納めることはしなかった。その結果の頂点。「とてもハッピーエンドの物語です。 物語の実現に尽くしてくれたすべての人に感謝したい。ウクライナのように信じ、努力し、決してあきらめないこと」と、世界へメッセージを送った。ゼレンスキー大統領からは「ウクライナは五輪でも、このような時でも、人々を鼓舞する方法を知っている!」と、SNSを通じて祝福のメッセージが届いた。

 サーブル個人でも銅メダルを獲得したハルラン。来週には4カ月ぶりに母国へ帰り、2つのメダルを手に、両親へ喜びの報告をする。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2024年8月4日のニュース