やっぱり八村塁だ!W杯王者ドイツに敗れても“際立つ”存在感 指揮官「後半は勝っていた」吉兆の4点差

[ 2024年7月21日 05:00 ]

バスケットボール国際強化試合   日本83-104ドイツ ( 2024年7月19日    ベルリン )

ドイツ相手に豪快なブロックをする日本代表・八村塁(AP)
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 世界ランク26位の男子日本代表が、昨夏のW杯王者で世界3位のドイツに83―104で敗れた。27日のパリ五輪1次リーグ初戦でも対戦する強豪との前哨戦に完敗したが、21年東京五輪以来の代表戦となった八村塁(26=レーカーズ)が24分55秒出場でチーム最多19得点、5リバウンドをマーク。連係面の課題も見える中、個人で局面を打開して上々のプレーを見せた。21日にはベオグラードでセルビアと本番前最後の強化試合を行う。

 1083日の空白を埋めるのは簡単ではない。八村にとって21年8月1日の東京五輪1次リーグ最終戦アルゼンチン戦以来の代表戦。周囲との連係にスムーズさを欠きながらも、日本のエースが個人で違いを見せた。第1Q残り5分40秒に3点シュートを決めると、37秒後には初競演した司令塔の河村からパスを受けて外からシュートを成功。相手に体を当てながらの力強いドライブでチームの攻撃の幅も広げた。この日は取材に応じなかったが「NBAの経験を見せたい。プレーで引っ張っていければ」と話していた通りのパフォーマンスだった。

 6月28日に始まった合宿で約3年ぶりに日本代表の活動に参加。合流から間もない5、7日の韓国との強化試合は欠場した。河村ら周囲との連係が合わない場面も目立ったが、ホーバス監督は「塁とチームメートのコンビがまだ100%ではない。周りの選手が分かっていないので、時間がかかる。そこを直したら凄くいい」と伸びしろを前向きに捉えた。

 司令塔のシュルーダー(ネッツ)らNBA選手4人を擁するドイツに前半で25点差をつけられたが、相手がメンバーを落とした後半だけのスコアは52―48と上回った。ドイツとは昨年のW杯初戦でも対戦して63―81で敗れたが、後半は32―28でリード。後半に互角以上の戦いを演じて自信をつけ五輪切符獲得につなげた。後半4点上回ったのは1年前と同じ。“吉兆”ともいえる黒星で、指揮官は「後半(の得点)は勝っていた。ポジティブな雰囲気がある」と視線を上げた。

 左ふくらはぎ肉離れで離脱していた渡辺雄は21日のセルビア戦での復帰が確定。五輪1次リーグ初戦のドイツとの再戦を前に二枚看板がそろう。富樫主将は「本当に強いなという印象を受けた。でも、これは本番の試合じゃない」と強調した。W杯優勝国に完敗することは想定内。下を向く選手は一人もいない。パリの目標は8強進出。収穫と課題を洗い出し、本番のビッグサプライズにつなげる。

【八村の世界大会メモ】
 ☆19年W杯中国大会 トルコ、チェコ、米国と同組となった1次リーグ3試合に先発したが、3戦全敗。米国戦は4得点に抑え込まれ、45―98で大敗した。順位決定リーグは膝の不調と疲労を理由に欠場。NBA1年目のシーズンに備えた。
 ☆21年東京五輪 日本選手団の旗手を務めた。エースとして1次リーグのスペイン、スロベニア、アルゼンチン戦に先発し、スロベニア戦の34点など2試合でチーム最多得点を挙げたものの3戦全敗。大会直後に渡辺雄、富樫、馬場らと「もう一回、五輪に行こう」と誓った。

《3P成功率30%低迷…》
 ○…富永は不発に終わった。得意の3点シュートを7本全て失敗。先発して18分43秒プレーし、成功は2点シュート1本のみに終わった。チームの3点シュートも40本中12本しか決まらず成功率30%に低迷。ホーバス監督は目標の8強進出に向け「40%以上決めたい」と話している。20歳のジェイコブスが5本中3本を沈めるなど収穫もあったが、外からのシュート精度アップは最重要課題となる。

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