「ミレニアム世代」阿部未悠 ソフトバンク・甲斐イズムで初V 合同自主トレで学んだ「楽しむ」実践

[ 2024年4月8日 04:55 ]

女子ゴルフツアー 富士フイルム・スタジオアリス女子 最終日 ( 2024年4月7日    埼玉県 石坂GC=6535ヤード、パー72 )

<富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日>初優勝を果たし岩井姉妹らに祝福される阿部未悠(撮影・会津 智海)
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 ミレニアム世代(2000年度生まれ)の阿部未悠(23=ミネベアミツミ)が8バーディー、1ボギーで65をマークし、通算15アンダーでツアー初優勝を飾った。ともに首位タイからスタートし、同じく初優勝を目指した佐久間朱莉(21=大東建託)に1打差で競り勝った。

 最終18番。佐久間との激闘に終わりを告げる1メートルのウイニングパットを沈めると、阿部は力強く拳を握った。「この3日間は自分のゴルフに集中することができて、凄く楽しんでゴルフができた」

 先行を許す展開で11番のボギーで2打差。だが、この11番で7メートルを沈めたことで息を吹き返した。12番で取り返すと、14番から4連続バーディーで逆転。18番は2打目をグリーン奥にこぼしたことも想定内で「今までの私ならグリーンに乗せるのが最優先だった。自信がついてきたのかも」。昨年から練習してきたアプローチで寄せて勝ちきった。

 ゴルフを楽しむ――。きっかけはオフにプロ野球ソフトバンクの甲斐拓也捕手と一緒に自主トレを行ったことだった。元々ファンで、共通の知人を介して合宿に参加。そこで「野球を楽しむ」姿勢に感銘を受けた。去年は結果が出ず「楽しむ気持ちを忘れていた」が、「好きなことを仕事にできるのは幸せとはっとさせられた」と初心に返ることができた。「スコアをどんどん伸ばしていく中でも冷静な部分があった。初めての感覚」だった。

 両親の喜ぶ姿を見ると涙がこぼれた。北海道生まれ。小学4年でゴルフを始め、同じスクールの2歳上の小祝さくらが大会で活躍する姿に刺激を受け、将来プロになると誓った。冬でも芝の上でラウンドしたいと訴え、中学からは母・早苗さん(50)と福岡へ引っ越した。父・敏春さん(54)は北海道に残り、一人娘を応援してきた。「育ててくれて、本当にありがとうと言いたい」。同世代では古江彩佳、西村優菜、吉田優利らに続く勝利。「元々今年の目標が複数回優勝だった。いつも上位にいる選手になりたい」。早くも2勝目に目を向けた。(内藤 博也)

 ◇阿部 未悠(あべ・みゆう)2000年(平12)9月27日生まれ、北海道恵庭市出身の23歳。福岡・第一学院高卒業後、21年に2度目のプロテストで合格。曲がらない1Wが武器で、昨季のフェアウエーキープ率3位(75・6477%)。趣味は動物などの写真撮影。オフにはフクロウを撮るために4時間歩いたことも。1メートル55。

 ≪佐久間イーグル発進も…陥落2位≫1番でイーグル発進した佐久間は初日から守った首位の座を17番、大会53ホール目で明け渡し、初優勝を逃した。2位が決まった後のパットを打つ際には既に目に涙。それでも「最後は未悠ちゃんを笑顔で称えたいと思った。できたか分からないけど」とプロ同期の勝者へリスペクトは忘れなかった。「良いゴルフができた。それでも勝てなかったのは自分の実力不足」と現実を受け止め、師匠の尾崎将司には「次こそ勝ちますと自分から報告する」と話した。

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