【岡崎真氏 視点】ジャンプの加点の差が明暗を分けた鍵山と宇野 ファイナルは近年にない接戦に

[ 2023年11月25日 22:42 ]

<NHK杯第2日>優勝し笑顔の鍵山優真(右)と宇野昌磨(撮影・小海途 良幹)
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 男子は、22年北京五輪銀メダルの鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)が今季世界最高点を出したSPに続いてフリーでも圧巻の演技を披露し182.88点で今季最高点となる合計288.39点で優勝した。変則開催だった20年大会以来3年ぶり2度目の優勝で、GP通算3勝目を飾った。宇野は2位。岡崎真氏がフリーを分析した。

 結果的にはSPでの差が勝敗を分けたような形になったが、2人ともベストを尽くした素晴らしい戦いだった。ともに完璧な演技ではなかったものの、今やれることはすべてやりきったと思う。

 ただ、ジャンプの質が高い鍵山はGOE(出来映え評価)でも加点が高かったのに対し、宇野はqマーク(4分の1回転不足)が4つ付いてしまったため、基礎点が高いジャンプを跳んでいるのに得点が伸びなかった。スピンやステップではほとんど差がないので、このジャンプの加点の差が明暗を分けることになった。

 実際に回転が少し足りないぐらいの方が降りた後に流れをつけやすいのは確かで、おそらく宇野はそのギリギリのところで降りてくることを体が覚えているのだろう。次の五輪までの戦いを見据えて、今季の宇野は今までとは違った角度から自分を見つめ直しているような印象があるので、これもいい経験になったはずだ。

 次のファイナルは2人はもちろん、外国勢もハイレベルなので、近年にない接戦となりそうだ。
(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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