石川佳純　「最後の試合」をファンに言わなかった理由は…「伝えようかなと思ったけど」涙こらえて吐露

＜石川佳純・引退会見＞会見中、目元を拭う石川佳純（撮影・尾崎　有希）
Photo By スポニチ

　今月1日に現役引退を発表した卓球の石川佳純（30＝全農）が18日、都内で会見を行い、現役引退を改めて表明した。また、最後の試合となった4月のWTTチャンピオンズ・マカオ大会について、事前に家族以外に知らせなかったことへの思いを明かした。

　会見には黒のジャケット、白のボトムス姿で登場。引退を決断した理由について「自分自身、やりきったと思えたからです」と晴れ晴れとした表情で語ったが、ファンへの感謝を述べる場面では涙ぐみ、「うれしいときは一緒に喜んでくださり、苦しい時は寄り添ってくれた」と涙をこらえる場面もあった。

　石川の23年間の現役生活は、4月に行われた「WTTチャンピオンズ・マカオ大会」での東京五輪王者・中国の陳夢（チェンムン）との対戦で幕を閉じた。この試合を自身の最後と決めたことについて、「家族以外には伝えていなかった」という。「自分自身、最後までプレーに集中して試合をすることができました。直前に、ファンの方にも伝えようかなと思ったのですが、最後まで全力で戦う姿を見てほしいなと思って…最後まで言えなかったんですけど」と、再び涙をこらえる場面が。「終わった後は、涙が出てくると思ったのですが、思っていたよりもすがすがしい気持ちで、笑顔で、うれしい気持ちが大きくて。やりきれたな、と思えました。現地に応援に来てくれた方にも笑顔で手を振ることができたので、今となってはよかったのかなと思います」と振り返った。

　また、家族に引退を伝えるときは「家族のLINEに一斉に送信した」とはにかんだ表情で報告。「4人家族なんですけど、両親からは“お疲れ様、よく頑張った”と言ってもらえました」と笑顔を見せた。

　◇石川　佳純（いしかわ・かすみ）1993年（平5）2月23日生まれ、山口県出身の30歳。7歳で卓球を始める。中学3年の07年世界選手権で初めて日本代表入り。17歳だった11年に全日本選手権シングルスで初優勝。12年ロンドン五輪は団体銀、16年リオデジャネイロ五輪は団体銅メダル、19年東京五輪は団体銀メダルを獲得。1メートル57。