“和製カリー”富永 6月のNBAドラフトにエントリー 日本人4人目のNBA選手へ大きな一歩

[ 2023年4月26日 04:40 ]

ネブラスカ大でプレーしている富永啓生(AP)
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 バスケットボール男子全米大学体育協会(NCAA)1部、ネブラスカ大の富永啓生(けいせい、22)が6月のNBAドラフトにエントリーすると、米紙「オマハ・ワールド・ヘラルド」などが24日に報じた。大学でプレーする資格を有したままのエントリーで、来季もネブラスカ大に残る可能性もあるが、日本人4人目のNBA選手へ向けて大きな一歩を踏み出した。

 3月のビッグ10カンファレンス・トーナメント初戦ミネソタ大戦で富永はチーム最多の23点を挙げたが、チームは敗退。ネブラスカ大2シーズン目を終えた直後「未定」としていた今後について、NBAドラフトにエントリーする決断を下した。

 昨夏に日本代表にもデビューして迎えた今季は得意の3点シュートを武器に主力として活躍した。全32試合に出場し、シーズン後半は先発に定着。1試合平均でチーム2位の13・1得点、3点シュートは165本を放って成功率40%と高確率で決めた。2月には5試合連続20点以上を達成。3点シュートラインの後方からも軽々と射抜くシュート力から「和製カリー」と呼ばれる男は2月に本家のステフィン・カリー(ウォリアーズ)からSNSでコメントが届くほどで、米国での注目度も高まっていた。

 富永は今後、ドラフト指名候補選手たちによる練習試合や身体測定、各チームのワークアウト参加に向けて活動していく。そこでアピールして、日本人としては19年にウィザーズから1巡目9位指名を受けた八村塁(現レーカーズ)以来のドラフト指名を目指す。

 ただ、短大で2年プレーした後に編入し、大学で計4年プレーした富永は新型コロナウイルス感染拡大に伴う特別ルールで来季もネブラスカ大でプレーできる。もう1年大学でプレーして評価を高めて24年のNBA入りを目指す選択肢もある。チーム関係者は大学に残ると予想しており、残る場合は5月31日までに決断する必要がある。

 まずはドラフトへ向けた活動でNBAのチーム関係者からどんな評価を受けるのか。世界最高峰の舞台へ果敢に挑戦する。

 ◇富永 啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日生まれ、愛知県出身の22歳。岩成台中、桜丘高を経て、19年にレンジャー短大に進学。21年にネブラスカ大に編入した。東京五輪は3人制で出場し、8試合プレーして、全選手中6位の通算55得点を記録。「和製カリー」の異名を持つ。父は2メートル11の長身で98年世界選手権代表の啓之氏、母も元実業団選手。左利きのシューティングガード。身長1メートル88。

 ▽NBAドラフトで指名された日本人選手 
 過去に2人だけ。1人目は住友金属に所属した身長2メートル30のセンター岡山恭崇で、81年にウォリアーズから8巡目全体171位で指名を受けたが、当時NBA選手の出場が認められていなかった五輪出場を希望していたことなどを理由に入団しなかった。2人目はゴンザガ大の八村塁で、19年にウィザーズから1巡目全体9位で指名されて入団。4年目の今季途中にレーカーズに移籍した。NBAでプレーした日本人選手は八村と田臥勇太(04年、サンズ)、渡辺雄太(18年~、グリズリーズ、ラプターズ、現ネッツ)の3人だけ。

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