“みちょぱのはとこ”池田向希が初優勝で世界切符 不在の“王者”山西に今夏リベンジ必ず

[ 2023年2月20日 04:30 ]

陸上日本選手権20キロ競歩 ( 2023年2月19日    六甲アイランド甲南大周辺コース )

1着でゴールを切る池田向希(撮影・後藤 正志)
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 男子は池田向希(24=旭化成)が1時間18分36秒で初優勝し、8月の世界選手権(ブダペスト)代表に決まった。東京五輪と昨年の世界選手権で銀メダルを獲得した実力者は国内制覇を弾みに世界選手権2連覇中の山西利和(27=愛知製鋼)にリベンジを誓った。過去優勝6度の高橋英輝(30=富士通)が31秒遅れの2位で世界選手権代表入り。女子は藤井菜々子(23=エディオン)が1時間29分54秒で2年ぶりに優勝したが、世界選手権の参加標準記録に届かなかった。

 両手を顔の高さに掲げ、先頭でゴールテープを切った池田は日本選手権初制覇。「初優勝はうれしい」と言いながら満面の笑みではない。世界選手権を2連覇し、今夏の出場権を持つ“王者”が不在だったからだ。「山西選手に勝って初めて感じる、うれしさがあると思う」。目線を既に本番へ向けている。

 そう話すのも当然と思える完勝だ。雨に加え、海に浮かぶ人工島の六甲アイランドには強い風が吹く。体温を奪われ“思うように体が動かない”と訴える選手が多い中、「向かい風でペースアップして(先頭集団が)どんどん絞られ、消耗戦に持ち込めた」と涼しい顔だ。序盤6キロ手前からマッチレースとなった高橋を16キロ付近で引き離してフィニッシュした。

 上位5選手で一人だけ歩型の注意を一度も受けなかった。2位の高橋は「歩型の完成度が凄すぎて普通にやったら勝てない」と白旗を揚げる。競り続ければ池田のきれいな歩型と比較され、自身が審判から注意を受けかねないと考え、最終盤のマッチレースを避けた部分があると明かした。過去6度優勝の30歳ベテランを戦意喪失に追い込むほど、今の池田は充実している。

 東京五輪では山西に先着して銀メダル、昨夏の世界選手権では後塵(こうじん)を拝して銀メダル。2位でも、その意味合いは異なる。「ブダペストでは金メダルを目標に取り組みたい」。王者を打倒し、表彰台の真ん中に立つ姿を思い描いて精進する。

 ◇池田 向希(いけだ・こうき)1998年(平10)5月3日生まれ、静岡県出身の24歳。小学校時代はテニスとスイミングスクールに通い、陸上は中学から開始。静岡・浜松日体高、東洋大卒、旭化成。21年東京五輪銀メダル、22年世界選手権銀メダル。「みちょぱ」ことモデルの池田美優ははとこにあたる。1メートル68。

 ▼みちょぱ(池田美優) あたしはなんにもしていないので名前出さなくて大丈夫なんですが、ただただおめでとうございます!凄すぎる!

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