4日目で早くも全勝消えた…混戦の主役は高安 今年2度準V、悲願初賜杯へ三度目正直

[ 2022年11月17日 04:20 ]

大相撲九州場所 4日目 ( 2022年11月16日    福岡 国際センター )

豊昇龍(右)をはたきこみで破った高安(撮影・中村 達也)
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 平幕・高安が全勝の関脇・豊昇龍を破って3勝目を挙げた。全勝だった小結・翔猿、平幕・阿炎、琴勝峰、平戸海も敗れて早くも全勝が消える大混戦に。4日目で全勝力士不在となるのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では69年九州場所の1例しかない53年ぶりの珍事。大関の正代と貴景勝はそろって敗れ、ともに2敗となった。

 今場所も戦国場所の様相を呈してきた。幕内力士全42人のちょうど3分の1にあたる14人が1敗で並んで首位に。そのうちの一人である高安が大混戦を演出した。全勝だった4人が相次いで敗れた後、最後に登場した豊昇龍と対戦。立ち合い強烈な体当たりで相手の上体を起こしておいてのはたき込みを決め「良い当たりができたのでよかったです」と淡々と振り返った。

 この日の激しい相撲内容は、11勝を挙げて千秋楽まで優勝争いを盛り上げた先場所を思い起こさせるものだった。終盤戦に入って集中力を高めていたが惜しくも賜杯には届かず。千秋楽の取組直後には「何度でも挑戦します」とすぐに九州場所を見据えていた。その言葉通り、今場所もここまで集中力を持続させている。

 場所前は今回も積極的に出稽古を重ねてきたが、右足首を痛めて秋巡業最終日を休場した。初日の若隆景戦では勝負が決まった後に気にする様子もあった。不安要素はあるが「今日も前向きな相撲が取れました」と表情は明るい。土俵下で見届けた伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は「一生懸命やっている」と32歳の、元大関の奮闘を評価した。

 横綱不在で混戦必至と予想されていた中、番付最上位の大関2人も既に2敗を喫しており混迷を極めている。優勝争いを意識するにはまだ早すぎる4日目とあり「肩の力を抜いてやっていきます」と高安。先場所までの5場所で優勝者が全て異なる今年はここまで準優勝が2回。予測不能の今場所、悲願の初優勝のチャンスも確かにあるはずだ。

 ▽1969年(昭44)九州場所 一人横綱の大鵬は2日目に平幕・二子岳に敗れるなど中日までに3敗。10日目に休場した。4大関も3日までに土がつき、3日目を終えて全勝だった平幕の二子岳と花光が4日目にそろって敗れ1敗11人が首位に並んだ。4日目までに全勝が消えたのは1913年(大2)春場所(11日制)以来。混戦場所は4日目から10連勝した大関・北の富士が13日目に大関・琴桜を下し12勝1敗とし、3敗の大関・玉乃島、平幕・竜虎が敗れたことで2度目の優勝(13勝2敗)を決めた。

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2022年11月17日のニュース