【玉ノ井親方 視点】御嶽海 内容完敗、勝負に勝った翔猿戦 二の矢、三の矢の出足が影を潜めている

[ 2022年11月17日 19:40 ]

大相撲九州場所5日目 ( 2022年11月17日    福岡国際センター )

翔猿(左)を突き落としで下す御嶽海(撮影・岡田 丈靖)
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 内容は完敗でも、勝負に勝った。1敗を守った御嶽海の翔猿戦はそういう一番だった。そもそも立ち合いから甘かった。相手が何か仕掛けくるのではないかと警戒し、思い切り当たれていなかった。そのため簡単に中に入られ、左上手を許したことで防戦一方となり、土俵際で棒立ちになった。

 ただ、翔猿の上手が深かったおかげで、起死回生の突き落としが間一髪で決まった。もしあの場面で相手の上手の位置が浅く、体を引きつけてられていたら、逆転できなかっただろう。そういう面では運があった。

 もちろん勝負事には運も必要。ただその運を今後の相撲に生かさないと意味がない。ここ数日の相撲を見ていると二の矢、三の矢の出足が影を潜めているのが気になる。御嶽海の武器は前に出る圧力。この日の苦戦を反省し、中盤戦から見違えるような相撲を取ってもらいたい。(元大関・栃東)

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2022年11月17日のニュース