【全米OP佐藤信人の目】松山アイアンに切れ ティーショットがもう少しフェアウエーに行けば追い上げ可能

[ 2022年6月19日 15:48 ]

米男子ゴルフツアー 全米オープン第3日 ( 2022年6月18日    マサチューセッツ州 ザ・カントリークラブ=7254ヤード、パー70 )

松山英樹(AP)
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 今季メジャー第3戦は第3ラウンドを終了。5打差の24位から出た松山英樹(30=LEXUS)は2ボギーの72とスコアを2つ落として通算2オーバー。タフな設定に加え、強い風も吹いたムービングデーは多くの選手がスコアを落とす展開。松山もバーディーを奪えないまま終えたが、首位とは6打差の17位に順位を上げた。日本ゴルフツアー機構理事でプロゴルファーの佐藤信人が第3日の松山を解説した。

 松山選手の3日目のインタビューの表情は明るめだったが、納得できていない雰囲気が感じられた。

 ただ、ショットの出来を表す数値のストロークス・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン※はこの日2・85でトップ。パーオン率も3日間トータルで68・52%の5位と、相変わらずアイアンショットは切れている。

 しかし、ティーショットがフェアウエーに行ったのが6回だけで、それがスコアを伸ばすチャンスを少なくしてしまった。

 パットも一筋違いで外れるような惜しい感じのものが多かった。癖のあるポアナ芝で、グリーンの傾斜もきつく、読みづらい面もあっただろう。

 コースコンディションは前日までとは一転。強い風が吹いた上に風向きが変わったり、吹かなかったりして、厳しい状況になった。ナイスショットとグリーンを外れてしまうショットが紙一重で、運にも左右された。本当に良いショットと良いパットを続けないと、良い結果につながらない絶妙のセッティングだった。
 その中でボギーを2つに収められたのは良いプレーだったと思う。

 トップの2人は米ツアーでの優勝経験はないが、直近のメジャーの全米プロでは優勝争いをしている。経験という点では、連覇を狙う3位のラームに分があるが、この日の18番でダブルボーギーを叩いたように、このコースは危険と背中合わせ。最後まで勝負がどう転ぶか、全く分からない。

 松山選手はティーショットがもう少しフェアウエーに行けば、今のアイアンショットの調子ならチャンスは増える。追い上げる可能性は高いとみている。
(日本ゴルフツアー機構理事、プロゴルファー)

 ※ストロークス・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(パー4とパー5の第2打、パー3の第1打が全体の平均に対し、どれだけ上回っているか、または下回っているかを示す値)
 

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