瀬戸“金を獲れない調整”で狙う世界水泳連覇 見据えるのは24年パリ五輪

[ 2022年6月16日 05:20 ]

笑顔で質問に答える瀬戸(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 水泳の世界選手権は18日、ハンガリー・ブダペストで開幕する。競泳の男子個人メドレー2種目で連覇の懸かる瀬戸大也(28=TEAM DAIYA)が取材に応じ、3月から師事する加藤健志コーチ(56)に“金メダルを獲れない調整”を課されていることを明かした。世界水泳では4個の金を手にしているが、五輪では銅が最高。24年パリ五輪にピークを合わせるための準備と位置付ける大会で、連覇を狙うことを明言した。

 加藤コーチとは高校2年時の海外遠征で初めて会った。そして、大学4年で出場した16年リオ五輪前の約3カ月間は教え子の金藤理絵に過酷な練習を課し、女子200メートル平泳ぎで金メダルに導いた指導を目の当たりにした。東京五輪延期決定後の20年4月には小学生の頃から指導を受けた梅原孝之コーチのもとを離れ、高校時代の同級生の浦瑠一朗コーチとタッグを結成。21年夏の東京五輪はメダルなしに終わった。

 「リオ五輪前の金藤さんへの指導を見て“エグい”と思いつつ、“このコーチは間違いない”と確信した。東京五輪の延期決定後にコーチを代えた時も加藤コーチのことは頭にあったが、相当な覚悟がないとついていけない。あの時は水泳を本気でやることから逃げていました」

 元飛び込み日本代表の妻・優佳が昨年末に約4年4カ月ぶりに現役復帰。パリ五輪という同じ目標を掲げるパートナーの姿から刺激を受ける。

 「練習の映像を見せてもらうと(1度目の)現役の時に飛んでいない技を飛んでいて驚かされる。5年近いブランクがあっても“本気でやりたい”と思える気持ちはやっぱり強い。パワーをもらっているし、自分も練習で疲れたとか言っている場合じゃない」

 現在は深部の筋肉から体をつくり直している段階。スイムの本格強化は10月に始める予定だ。本命種目400メートル個人メドレーは来年8月の世界選手権福岡大会で自己ベスト4分6秒09の更新、パリ五輪でマイケル・フェルプス(米国)の世界記録4分3秒84を塗り替える青写真を描く。

 「パリで世界記録を出すために福岡で自己ベストを出す。自分をベストの状態に戻すというのでなく、また違う上り方をしている。何があっても崩れない新しい自分をつくりたい。世界水泳の金も特別だが、やっぱり五輪で一番上に立って君が代を流したい」

 ◇瀬戸 大也(せと・だいや)1994年(平6)5月24日生まれ、埼玉県出身の28歳。5歳で水泳を始める。毛呂山中―埼玉栄高―早大卒。13年、15年の世界選手権400メートル個人メドレーで日本勢として大会史上初の連覇を達成した。16年リオ五輪の400メートル個人メドレーでは銅メダルを獲得。優佳夫人(27)は飛び込み選手。1メートル74、75キロ。

続きを表示

2022年6月16日のニュース