「LeRIRO福岡」地域創生に力を入れ「リーグワン」参入目指す 福岡県うきは市に新ラグビーチーム誕生

[ 2022年4月26日 07:54 ]

初日の始動日の練習に参加した(左から)西村、井上、黒川
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 福岡県うきは市にラグビーチーム「LeRIRO(ルリーロ)福岡」が誕生した。すでに元コカ・コーラの西村光太(25)ら15人の加入が決定。地域創生に力を入れながら将来的には「リーグワン」参入を目指す。

 部員3人でのスタートだったが、選手たちの表情には充実感がにじんでいた。4月中旬に浮羽究真館高校のグラウンドで初めての練習。元コカ・コーラのフッカー、西村は「感謝の気持ちを持って練習した」と話した。高校のラグビー部員ととともにボールを使ったタッチフットで汗を流した。

 西村は「ルリーロの選手として僕たちがあこがれる存在になりたい」と意気込む。チーム創設は浮羽究真館の吉瀬晋太郎監督の「ラグビー部を高校日本一にしたい」という目標から始まった。努力を重ねているが、花園で9大会連続4強以上の成績を残す東福岡の牙城を崩せずにいる。そこで「大人のトップの人たちが(高校生の)近くにいる環境をつくる」ことを考えた。

 うきは市の現状も頭をよぎった。2017年には約3万人だった人口が、20年10月に発表された数値では2万7981人。過疎化が進んでいる。吉瀬監督は「若い人たちに移住してもらえれば、市の持っている課題も解決できるのでは」と親交のある島川大輝代表とともにチームを創設した。ルリーロはうきは市の鳥であるカワセミの色「瑠璃色」とフランス語で「笑い」を意味する「Le Rire」からの造語だ。

 福岡のラグビー界では昨春にコカ・コーラが廃部。今春には宗像サニックスが活動休止を発表した。暗い話題が相次ぐ中、ルリーロには元コカ・コーラの選手など現時点で15人の加入が決まった。問い合わせも約70選手から来ているという。「地域への転職とか移住」(島川代表)という問題もはらむため、条件が整った部員から練習に参加していく予定。例えば、西村はうきは市のまちおこし協力隊として活動している。「ラグビーを通して市の活力だったり、市を盛り上げられる人材になれればと思っています」と目を輝かせた。

 今後も浮羽究真館のグラウンドを拠点に活動の予定。今秋から社会人リーグに参戦する見込みだ。西村は「0からのスタートでリーグワンに参入するチームだと言われた。それしかない」と全員で一歩ずつ高みを目指していく。 

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2022年4月26日のニュース