【玉ノ井親方　視点】カド番の貴景勝、正代　流れ変えるには“我慢”

大相撲春場所3日目 （ 2022年3月15日    エディオンアリーナ大阪 ）

貴景勝（右）は豊昇龍にすくい投げで敗れる（撮影・奥　調）
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　カド番大関の2人が迷路にはまっている。貴景勝は相撲勘がまだ戻っていない感じだ。豊昇龍戦は前日の逸ノ城戦と同じように、左で張られて右を差された。そのまま強引に前に出たものの、足がついていかず土俵際ですくい投げられた。

　良い時の貴景勝なら張られても腕を伸ばして、相手の体を押し込むことができていた。だが今場所は足が前に出ず、上体だけで取っているから、体が浮いて簡単に差されてしまう。ケガの影響も多少はあるだろうが、足から攻める形をつくらないと苦戦は免れない。

　正代も安易に胸を合わせ過ぎだ。もろ差しを狙うのであれば、もっと下から当たって相手の腕を跳ね上げていかないとダメ。貴景勝と同じように上体だけで取っていて、下半身が動いていない。とにかく、今の2人に必要なのは我慢。当たって踏み込んで、押し返されても我慢して前に出ること。流れを変えるにはそれしかない。（元大関・栃東）