鈴木猛史 まさかの転倒で途中棄権で涙…「悔しい」 北京パラアルペンスキー

[ 2022年3月13日 20:26 ]

北京冬季パラリンピック最終日 アルペンスキー ( 2022年3月13日    家アルペンセンター )

 男子回転座位2回目で途中棄権した鈴木猛史(共同)
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 男子回転(座位)が行われ、14年ソチ同種目金メダリストの鈴木猛史(33=KYB)は、2本目のゴール直前で転倒し途中棄権となった。

 2大会ぶりの表彰台は、惜しくも届かなかった。1本目で4位につけ、巻き返しを狙った2本目で中盤までは表彰台圏内を捉えていたが、ゴール直前でまさかの転倒。完走できず「悔しい。4年間支えてくれた方々に(結果で)応えることができなかった」と涙を浮かべた。

 鈴木にとって特別な日だった。3月13日は、小学校2年の時に両大腿を切断することになった交通事故の日。さらに本来なら、男子回転は12日に実施予定だったが、天候などの都合で大会最終日の13日に変更。鈴木は妻・響子さんに電話で「何か運命を感じる」と伝えていたという。

 レースを終え、この日について「意識はしてなかったけど、何か(奇跡に)ちょっと期待していた」と率直な思いを語った鈴木。今大会5種目メダルなしに終わった悔しさをにじませつつ、「正直このまま終わりたくない。メダルを獲って終わりたい」と視線を4年後に向けた。

 ◇鈴木 猛史(すずき・たけし)1988年(昭63)5月1日生まれ、福島県出身の33歳。猪苗代高―駿河台大。小学2年のときに交通事故の影響で両大腿を切断。小学3年でチェアスキーを始めた。98年長野大会がきっかけでパラリンピックを目指すようになった。パラには06年トリノ大会で初出場。14年ソチ大会では回転で金メダルを獲得した。KYB所属。

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