戦下の北京パラ閉幕“平和の叫び”IPCパーソンズ会長「世界のリーダーたちがパラ選手に学ぶことを望む」

[ 2022年3月13日 21:45 ]

閉会式でスピーチするIPCのパーソンズ会長(ロイター)

 北京冬季パラリンピックは13日、10日間の全日程を終えて、北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で閉会式が行われた。

 開会式に続き閉会式に出席した国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長はスピーチで「最も困難な時に、皆さんのパフォーマンスは眩しく輝きました。逆境の中で多様性の力強さを示してくれました。希望の光として、平和を掲げる者として、皆さんの行動は、言葉よりもずっと大きく響きました。選手村では異なる国々、できることの違いが見られました。そこでは違うことで分断されることはありませんでした。一つになれたのです。ともに共通な未来に向かうためです。一つになることで希望が生まれます。ともに生きることへの希望、調和への希望、そして大事なのは平和への希望です。人は対話ができる世界に生きることを望んでいます。我々のパラリンピックムーブメントは世界のリーダーたちが、誇り高きパラリンピアンたちの行動に学ぶことを望んでいます」と開会式と同じく平和への願い、そして対話ができる世界の実現の重要性を強く語り掛けた。

 パーソンズ会長は開会式では、冒頭のあいさつを終え「今夜はまず平和のメッセージから始めなければなりません」と厳しい顔つきで宣言した。「私は今、世界で起こっていることに強い衝撃を受けています。21世紀は対話と外交の時代のはずです。戦争と憎しみの時代ではありません!」と語気を強めて訴えるとスタジアムには大きな拍手の音が鳴り響いた。そしてあいさつの最後には「ピース!」と叫び再び大きな拍手に包まれた。この平和の叫びは世界中で話題を呼んだ。

 日本選手団の今大会のメダル獲得数は7つ(金4、銀1、銅2)。アルペンスキー女子(座位)で村岡桃佳(25、トヨタ自動車)が金メダルを3個と大活躍。距離スキー男子(立位)の川除大輝((21、日立ソリューションズJSC)も金メダルを獲得した。前回18年の平昌パラリンピックからは総数で3減となった。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月13日のニュース