小林陵侑「あの屈辱は一生忘れません」 師匠の葛西監督と誓ったあの日から、ついに頂点に!

[ 2022年2月6日 21:40 ]

北京五輪第3日 ノルディックスキー男子ジャンプ ノーマルヒル決勝 ( 2022年2月6日    国家ジャンプセンター )

葛西紀明(右)の薫陶を受けて成長した小林陵侑(2017年撮影)
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 スキージャンプの男子個人ノーマルヒル決勝が行われ、小林陵侑(25=土屋ホーム)が金メダルを獲得した。ジャンプ個人種目では、1998年の男子ラージヒルで船木和喜が獲得して以来、日本勢では24年ぶりの頂点に立った。

 岩手県八幡平市出身。父・宏典さんは元クロスカントリースキーの選手で4きょうだい全員がジャンプ選手。両親は「小高い丘、高い位置から物事を見て、懐深く生きてもらいたい」という意味を込めて「陵侑」と名付けた。陵侑自身は「書くのが大変だったけど、インパクトがあって凄くいい名前」と気に入っている。盛岡中央高までは複合の選手として活躍。土屋ホームの葛西兼任監督に才能を見出されてジャンプに専念した。

 悔しさがバネとなった。16~17年シーズンはW杯にほぼフル参戦しながら、30位以内に1度も入れず、0ポイントに終わった。「あの屈辱は一生忘れません」と語る。その後、葛西兼任監督の指導と自らの努力で素質を開花させ、18~19年シーズンのW杯で総合優勝を果たした。17年夏、苦しんでいた愛弟子に対して、葛西は助言を送ると、あっという間に吸収して自分のものにしたという。

 小林は、五輪連続出場が8で途切れた葛西が金メダルを切望してきたことを当然ながら知っている。この日は師匠が見守る前での大ジャンプ。恩返しは、まだ始まったばかりだ。

 ◇小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の25歳。5歳でスキーを始める。岩手・盛岡中央高出。15年土屋ホーム入社。18年平昌五輪ノーマルヒル7位。18~19年シーズンに日本人初のW杯個人総合優勝。兄・潤志郎、姉・諭果、弟・龍尚もジャンプ選手。1㍍74、59㌔。

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