【しぶこ専属・斎藤トレーナーと世界を目指そう(11)】段階的に! 回数を増やして強度増そう

[ 2020年12月17日 05:30 ]

(1)ベッドをを利用してジャンプするタイのポルナノン・ファトラム選手(斎藤トレーナー提供)
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 今回から最終の<第4段階=男子は16~18歳、女子は14~16歳>に入っていきます。この年代はゴルフ競技独特の動きや技術を専門的に追求していくのに適しています。

 (取材協力・コモゴルファーズアカデミー)

 【ジャンプ系エクササイズ】
 ベッドを利用して両脚でジャンプしているのは2018年全英女子オープンで2位に入ったタイのポルナノン・ファトラム選手です(写真(1))。米ツアーで転戦する際、まれに滞在先のホテルにスポーツジムがないことがあります。そうした時や身体のケアの前に10分程度のトレーニングで刺激を入れたい時などはホテルの部屋でこのジャンプ系のトレーニングを行います。ジャンプボックスがなくてもベッド、ソファなど安定していてある程度の高さがあれば、代用が可能です。

 ジャンプ系のトレーニング種目は(1)跳び方(2)片脚か両脚か(3)反動の付け方(4)跳ぶ方向の組み合わせによって無限にあります。私がゴルフに適していると思う種目は次の3種目です。

 (1)ボックスジャンプです。両手を振って反動を付け、腰の高さほどの台に跳び乗ります(同(2)、(3))。下りる時はゆっくりで構いません。

 (2)サイドジャンプです。両腕を大きく振りながら片脚で左右に跳びます。幅は1・5メートルくらいです(同(4))。

 (3)スプリットジャンプです。上半身を左右にひねりながら脚を前後に開いてジャンプします(同(5))。

 ジャンプ系はどの種目もトレーニングの強度が高く、飛距離アップなどの面で比較的すぐに効果が出やすいためついやり過ぎてしまう選手もいます。近年では選手の故障のリスクを減らすため1週間のジャンプの回数をトレーナーがカウントして管理するようになっています。段階的にジャンプの回数を増やし、強度を増していくことが大切です。

 ゴルフは瞬発的な動きの繰り返しではなく、ショットとショットの間に十分、身体を休める時間があるので、1セットのジャンプの回数は少なくセット数を増やす方が有効でしょう。また必ず腰、膝、足首の十分なウオーミングアップを行ってください。

 ジャンプの回数については個人差があるのでここで具体的な数字を明示することはできません。ジャンプのトレーニングで身体に負担が大きいのは両脚より片脚、ゆっくりより速く、跳び乗るより跳び下りる、反動なしより反動ありといった具合です。負担が大きいトレーニングは効果も大きいのですが、その分、故障のリスクも大きくなります。トレーニングメニューについてはプロのトレーナーに相談してください。私で良ければ連絡を待っています。一緒に頑張りましょう。

 ◆斎藤 大介(さいとう・だいすけ)柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を持つ。男子ゴルフの片山晋呉にトレーナーとして帯同し、ゴルフに目覚める。14年から海外で研さんを積んで独立。16年から米女子ツアーに拠点を移し、リディア・コ、李晶恩(イジョンウン)ら海外メジャー優勝者のトレーニングを手掛ける。19年11月から渋野日向子を担当。自身のインスタグラム(golf_fit_japan)でも渋野らとのエクササイズ動画を公開。ジュニア向けの育成メニュー作成やオンライン相談も開始。インスタのプロフィルから斎藤トレーナー本人に問い合わせも可能。

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