プロ4戦目19歳、笹生優香 ぶっ飛び初V!大会タイ63マーク、逆転4差独走!

[ 2020年8月17日 05:30 ]

女子ゴルフツアーNEC軽井沢72 最終日 ( 2020年8月16日    長野県 軽井沢72G北C=6710ヤード、パー72 )

通算16アンダーで初優勝を決め、笑顔でトロフィーを手にする笹生
Photo By 代表撮影=共同

 3位から出たプロ4戦目の笹生(さそう)優花(19=ICTSI)がボギーなしの1イーグル、7バーディーと大会タイ記録の63をマークし、通算16アンダーで初優勝を果たした。19歳57日での優勝は史上7番目の若さで、女子ゴルフ界にまた一人、大器を予感させる若手が誕生した。産休明け2戦目の若林舞衣子(32=ヨネックス)と藤田さいき(34=チェリーゴルフ)が2位。今季第3戦のニトリ・レディース(北海道・小樽CC)は27日に開幕する。

 圧巻のイーグルで勝利をたぐり寄せた。2差リードで迎えた16番パー5。第1打で283ヤードをかっとばした笹生は6Iを手にした。残りは197ヤード。会心の一打は高い弾道でピンまで約2・5メートルに着弾した。ミドルアイアンながらスピンで止める男子プロのようなスーパーショット。難なくパットを沈め、珍しく右拳を突き上げた。

 「凄くうれしい。2日目はショットが良くなかったので、練習して自信を取り戻したのが良かった」

 2日目を終えて首位から3打差に22人いた大混戦も終わってみれば4差の独走。今季は2月に米ツアー2試合に出場しており、デビュー4戦目でのプロ初勝利となった。

 1Wの飛距離は平均260ヤード前後を誇る。そのアドバンテージを生かしパー5ではこのイーグルのほか3日間で7個のバーディーを奪った。抜群の飛距離はハンデ7という父・正和さん(63)の教えが大きい。よりよい練習環境を求めて小学3年時に日本からフィリピンへ。「下半身を強化し、バネのある筋肉をつくろうと。それが実ってきた」。小学3年で70ヤードだった飛距離は年々伸び続け、13歳になると1年で50ヤードも伸びたという。60キロのスクワットトレやボクシングのミット打ち、野球の守備練習などで足腰とフットワークを強化。飛距離アップに結びつけた。

 昨年11月のプロテスト合格後から、12度の賞金王に輝いた尾崎将司の指導を受けている。73歳の師匠は「パワーとスピードを兼ね備えた体をつくり上げた。本人の努力以外になし。米国でトップになりたいと意識をしていたが、見えてきたのではないかな」と祝福した。ツアー94勝など尾崎将の実績を「最近知った」という21世紀生まれ。重みのある言葉には「ありがたいです」と恐縮しきりだが、新たな大物誕生の予感が漂っている。

 《勝者のクラブ》▼1W=テーラーメイド・M5(ロフト角10・5度、シャフトの長さ45・5インチ)▼3、5W=キャロウェイ・マーベリック(15、18度)▼4U=同・マーベリック(20度)▼5I~PW=三浦技研・TC101▼ウエッジ=タイトリスト・ボーケイSM7(48、56、60度)▼パター=ピレッティ▼ボール=タイトリスト・プロV1

 ◆笹生 優香(さそう・ゆうか)
 ☆生年月日 2001年(平13)6月20日フィリピン生まれ、東京都出身の19歳。
 ☆家族 日本人の父とフィリピン人の母、妹と弟3人。日本とフィリピン両方の国籍を持つ。日本では5歳から8歳まで4年間過ごす。
 ☆サイズ 1メートル66、63キロ。
 ☆ゴルフ歴 8歳でゴルフを始め、14歳でフィリピンのプロツアーで優勝。昨年のオーガスタ女子アマで安田祐香と並び3位。
 ☆プロ転向 昨年のプロテストで18位。今年1月に入会(第92期生)。QTランクは28位。今季は2月にオーストラリアで米ツアー2試合に出場し、25位と予選落ち。
 ☆得意クラブ 1W
 ☆趣味 ピアノを習っていたと明かしたが、「上手ではないです。今は妹がやっています」。
 ☆目標 世界一。「日本で経験して自信をつけたら米ツアーにトライしたい」
 ☆語学堪能 日本語、フィリピン語、英語に加え、韓国語とタイ語も「少しだけ」。

 ▼2位・藤田さいき 天才ですよ。ゴルフがでかいし、完全にギャラリーでした。タイガー・ウッズさんと回っていると思うぐらい。15年のサントリー・レディースで一緒に回った時からうまかったが、ここにきて、さらに磨きがかかった。さくっと(賞金)女王になって、米ツアーに行くのでは。日本じゃ手狭だと思う。いやー、面白い。ギャラリーさんに見せたかった。彼女のゴルフはファンが増える。(同じ組で回って66をマークし2位)

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