ラグビー元日本代表監督の萩本光威氏、関西協会新会長に就任「競技普及のカギは中学生」

[ 2020年4月18日 05:30 ]

萩本光威氏
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 関西ラグビー協会は17日、元日本代表監督の萩本光威氏(61)の新会長就任を発表した。萩本氏はスポニチの取材に応じ、「競技普及のカギは中学生にあり」と語った。日本人初の世界殿堂入りをし、8年務めた坂田好弘前会長(77)は勇退し、顧問に就く。Jリーグ浦和レッズ元社長の橋本光夫氏(71)が書記長から副会長に昇格する。

 2019年W杯の熱気を、いかに競技の普及へつなげるか。関西協会の萩本新会長は構想を口にした。

 (1)「小学生の競技人口は多いのに、地域によって中学校のチームがない場合がある。いかに中学に結び付けられるかを考えたい」

 (2)「高校はレベルの格差が広がりすぎている。それを是正してラグビーはもっと楽しいと思える仕組みができれば、大学でも競技を続けようと思う選手がより出てくるのでは」

 日本協会発表では、19年3月の小学生の競技人口は男女計2万103人で、中学生は1万1339人。6年制と3年制の人数を単純比較できないが、中学前に離れる子が多いと広く認識されている。

 小から中を円滑に移行できれば、(2)の高校の力差にも対応できると見ている。「中学生が増え、さまざまな進路先で競技を続けることで、高校のレベルアップにつながるのではないか」。21年に発足する新トップリーグの参加チームは、Jリーグのような育成組織を義務付けられる見込みで、それが中学生増加につながる可能性がある。普及、活性化のために関西に「ユースの大会を主催することも手でしょう」と先を見る。

 全ての構想は、新型コロナウイルスの流行が収まってから着手し、「各協会の力を借りながらやりたい」と協力を仰ぐ。現役時代はSHで、同大、神戸製鋼で日本一になった。指導者として神鋼を日本一へ導き、男女で日本代表の監督格を務めた。インド、台湾の代表強化、部員不足の高校が参加するコベルコカップにもかかわった。さまざまな環境を知る「現場の視点」で新風を吹き込む。

 ○…地域で競技人口の差が激しい点について「男子が盛んではない地域で、女子チームが活動し始めているところもある。女子が盛り上がることで、ラグビーが認知されれば」と競技人口増加が続く女子の活性化に期待を寄せる。坂田前会長と同じく大学強化にも取り組む。関西学生代表とニュージーランド学生選抜との交流の継続に意欲的で「大学の強化が地域ラグビーの活性化につながる」と語った。

 ◆萩本 光威(はぎもと・みつたけ)1959年(昭34)2月10日、和歌山県出身の61歳。報徳学園―同大―神戸製鋼。日本代表キャップ1。神鋼のヘッドコーチとして3度の日本一。その中には03年度のトップリーグ初代王者も含まれる。04、05年日本代表監督。女子15人制の日本代表ヘッドコーチも務めた。神戸製鋼関連会社「コベルコビジネスサポート」勤務。

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