豊ノ島引退 春場所負け越しで決意 36歳関取復帰ならず

[ 2020年4月18日 05:30 ]

16年初場所、取ったりで琴奨菊(左)を破った豊ノ島
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 日本相撲協会は17日、元関脇・豊ノ島(36=時津風部屋)の現役引退と年寄「井筒」襲名を発表した。1メートル70に満たない小兵ながら、左四つ、もろ差しからの寄り、投げなどで活躍。関取復帰を目指した春場所は東幕下2枚目で負け越し、18年に及んだ現役生活に終止符を打った。今後は時津風部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たる。

 土俵内外で人気を博した豊ノ島の18年に及んだ現役生活が終わった。春場所で負け越した時点で引退を決意。周囲との話し合いを経て発表に至った。電話取材に「長かったような短かったような、あっという間だった」と振り返った。

 体の小さな入門希望者を対象とした第2新弟子検査を経た関取は豊ノ島が第1号だった。差し身の良さを武器に、10年九州場所は白鵬と優勝決定戦で戦った。この一番と、16年初場所で初優勝した大関・琴奨菊から唯一の白星を挙げた13日目の相撲を思い出の取組に挙げた。琴奨菊はアマチュア時代からしのぎを削ってきた同期生。16年春場所が最後の対戦となり「もう一回やりたかった」とライバルへの思いを口にした。

 16年名古屋場所前には左アキレス腱断裂の重傷を負い、幕内から幕下に転落。丸2年の幕下生活を経て、19年春場所では35歳で幕内まで戻った。「家族がいなかったらやめていた」と改めて元歌手の沙帆(すなほ)夫人と長女・希歩ちゃんに感謝した。

 指導者としての第二の相撲人生。まずは若い力士の育成を目指す。「その子ができるまで付き合ってあげられる指導をしていきたい」と抱負を語った。

 ◆豊ノ島 大樹(とよのしま・だいき=本名梶原大樹)1983年(昭58)6月29日生まれ、高知県宿毛市出身の36歳。高知・宿毛高を経て、02年初場所初土俵。04年秋場所で新入幕。幕内通算71場所で、三賞は10回(殊勲3、敢闘3、技能4)、金星4個。軽妙なトークでバラエティー番組でも存在感を示した。1メートル68、155キロ。

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