ラグビートップリーグ・太田チェアマン 薬物抜き打ち検査の定期的実施を示唆

[ 2020年4月2日 16:01 ]

薬物検査キットを手にするトップリーグの太田チェアマン。価格は1つ約5000円
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 ラグビートップリーグ(TL)の太田治チェアマンは2日、都内で会見し、薬物事件再発防止のためリーグ全選手を対象にした違法薬物検査の詳細を説明した。3月26日にコンプライアンスの研修という名目でTL各チームに選手を集めてもらい、抜き打ち検査を実施。だ液を採取して覚せい剤、コカイン、大麻など6種類の違法薬物を検出できるキットを用い、検査を受けた692人全員が陰性だったという。3、4日前までに摂取した薬物しか検出できないだ液検査を選んだ理由は「一斉抜き打ちするのに目の前で結果が出ることが一番のポイント。尿検査(の可能性)もあったが、やり方、オペレーションが難しく、毛髪検査は時間がかかるので、だ液とした」と説明した。検査前に帰国した外国出身選手やチームに合流していない大学生など、今回受検しなかった192人についても次の公式戦課開幕前には抜き打ち検査が実施される。

 薬物事件を受け、TL3節分の開催休止を発表した3月9日の翌日にキットを発注したが、対象となる888人分のキットを集める必要や弁護士の手配などがあり、検査まで時間がかかったという。検査費用は全額TL持ちで「思ったよりもかかった。1000万円は行かないですけど」と話した。報道陣からは「薬物を理由にリーグ中止となった時点で薬物使用者は使用をやめる。今回の検査にどれだけ有効性、妥当性があるのか」との疑問も出たが、太田チェアマンは「まずは検査をしてリーグとしての姿勢を見せることが大事。今後、薬物にノーと言えるような環境をつくりあげることが大事と思っている」と返答。今後は尿検査や毛髪検査なども含めた抜き打ち検査を定期的に行う可能性を示唆したほか、TL各チームには選手採用時には薬物検査の実施を要請する方針も示した。これまでもチームなどと行ってきたビデオ研修や講師派遣など選手への薬物教育も、定期的に続けていく。また、新型コロナウイルス対策も各チームと連携して行っているが、現状で感染者が出たとの報告は受けていないという。

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2020年4月2日のニュース