稲見萌寧 SWで63ヤードのバンカーショット…好成績納得の高い技術

[ 2019年10月25日 07:44 ]

女子ゴルフツアーNOBUTA GROUP マスターズGCレディース第1日 ( 2019年10月24日    兵庫県 マスターズGC=6510ヤード、パー72 )

11番、ティーショットを放つ稲見(撮影・平嶋 理子)
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 【全英女王渋野のコーチ「青木の翔言」この選手ここがスゴい(2)】渋野と同組の稲見さんが素晴らしいゴルフを見せてくれました。

 印象に残ったのは15番パー5の第3打。63ヤードと距離のあるバンカーショットがバックスピンで5ヤードも戻ってきました。通常、この距離のバンカーショットはPWなど大きめのクラブで砂のエクスプロージョンを使って飛ばしますが、稲見さんはSWを選択しました。いかにクラブヘッドをボールに正確に入れているか。サンドセーブ率1位だけでなくパーオン率1位の成績も納得の高い技術を証明するショットでした。

 稲見さんの持ち球はフェードです。絶対に左に行かないよううまくヘッドを抜いています。ミスしても引っ張って左に1ピン以内。あれだけ奇麗にヘッドを入れてしっかり左に振り抜ければ右へのミスも少ないはず。しっかりつかまえている分、ボールも止まります。ドロー一辺倒ですが、ヘッドを薄く入れて球の高さを出すことでボールを止めている渋野とは対照的です。

 あれだけしっかりしたフェードボールを打てる選手は女子では珍しい。よく練習しているのでしょう。あのヘッドの入れ方、抜き方の感覚は相当、数を打たないと身につきません。紙パックのジュースを使った練習法もフェードボールがこすり球にならないようヘッドを長くスクエアに使う動きを習得するのに有効です。

 稲見さんがグリーン左のピンに対してドローボールを打てるようになれば、同世代の選手にはさらに大きな脅威となるでしょう。(プロコーチ)

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年(平11)7月29日生まれ、東京都出身の20歳。10歳の時に父・了(さとる)さんの勧めでゴルフを始める。通信制の日本ウェルネス高1年時からプロツアーに参戦。高2から2年間、ナショナルチームで勝みなみらとプレーした。昨夏のプロテストに一発合格。7月のセンチュリー21レディースでプロ初優勝し、現在賞金ランク15位。得意クラブはアイアン全般。1メートル66、58キロ。血液型A。日本ウェルネススポーツ大在学中。

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