骨髄バンク50倍問い合わせ!璃花子 広がる支援に「ありがとう」

[ 2019年2月14日 05:30 ]

白血病を公表した池江璃花子。国内外からエールの声が上がり、支援の輪が広がっている
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 競泳女子のエース、池江璃花子(18=ルネサンス)が白血病を公表してから一夜明けた13日、国内外で続々とエールの声が上がり、支援する輪も広がりを見せた。病魔と闘うスイマーはツイッターを更新。2020年東京五輪での活躍を願う周囲の励ましに感謝の思いをつづり、復帰への意欲を示した。

 池江はツイッターを更新し、「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」とし、「今は、完治を目指し、焦らず、周りの方々に支えて頂きながら戦っていきたい」とつづった。

 そんな病気と闘う覚悟を決めた18歳に世界中から励ましの言葉が届いた。16年リオ五輪競泳4冠のケイティ・レデッキー(21=米国)がインスタグラムに「あなたと早期の回復のために祈っています」とメッセージを書き込めば、男子の入江陵介(29=イトマン東進)もツイッターに「世界の最前線で戦ってるリカコなら病気にも圧勝してくれる」とエールを送った。

 復活を願うのは選手仲間だけではない。一般ファンからも支援の動きが出始めた。池江が今後必要とする可能性がある「骨髄バンク」への関心が急速に高まっている。公益財団法人の日本骨髄バンクには、12日午後からドナー登録についての電話やメールでの問い合わせが急増。それまで1日5、6件だった資料請求は、12日だけで約270件に上ったという。ほとんどは池江の名を出さず「登録したいがどうすればいいか」「過去に病気をしたけど大丈夫か」など、登録の方法や条件を尋ねるもの。広報担当者は「キャンペーンCMが出たりテレビで特集されると増えることがあるが、今回は桁違い」と驚いている。

 白血球の型が適合する確率は、非血縁者では数百から数万分の1といわれる。ドナーの登録者数は昨年末で49万3627人。全体の高齢化が進み若い世代の登録者増が急務という状況に、池江を中心とする善意の輪が変化をもたらしそうだ。

 また日本水泳連盟には励ましの電話も殺到。漢方を紹介する連絡もある。同連盟関係者によれば、詳しい検査結果が出るまで2〜3週間かかる見通しという。白血病は進行の速さや、がんになる細胞の種類によって急性骨髄性白血病や急性リンパ性白血病など細かく分類されている。詳細な検査結果が判明した後に本格的な治療に入るとみられる。

 池江はツイッターの中で骨髄バンクに登録したとのメッセージなどに「ありがとうございます」と切り出し、「同じように辛(つら)い思いをしている方達にも本当に希望を持たせて頂いてます」と感謝の意を示した。世界中の思いが、「必ず戻ってきます」と誓った池江の支えになる。

 ▽骨髄バンク 骨髄・末梢(まっしょう)血管細胞提供斡旋の公的事業。日本骨髄バンクが主体となり、日本赤十字社や地方自治体の協力で行われる。ドナー登録は申込書を全国の献血ルームや保健所などに提出し、白血球の型を調べるため2ミリリットルの採血を受けて完了。同バンクからの適合通知を待つ。登録は18歳から54歳まで、薬を服用していないなどの条件がある。問い合わせは日本骨髄バンク(電)03(5280)1789。

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2019年2月14日のニュース