高校王者 狼雅 序ノ口優勝 「白鵬関とやりたい」

[ 2019年1月25日 12:40 ]

大相撲初場所13日目 ( 2019年1月25日    両国国技館 )

<初場所13日目>天恵(下)を上手出し投げで破る狼雅(撮影・郡司 修)
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 モンゴル出身の序ノ口・狼雅(19=二子山部屋)が天恵を破り、7連勝で序ノ口の優勝を飾った。

 胸から当たって右を差し、左上手を引いてがっちり組む。そのまま圧力をかけながら前に出て、上手出し投げで土俵に倒した。

 同部屋で同じく6連勝中だった藪岡が、すぐ後の取組だったため、勝ち名乗りを受けると花道で兄弟子の取組を見守った。惜しくも藪岡が敗れ、同部屋力士による優勝決定戦は実現しなかった。「(決定戦を)やりたかったです。自信はまあまあ…」と残念そうに振り返った。

 鳥取城北高時代の17年高校総体・相撲個人で優勝。史上初の外国出身高校横綱となった。昨年4月から二子山部屋で稽古を重ね九州場所でデビューした。

 「(優勝して)いいスタートになりました。一番々々に集中して、自分の相撲を取れるように頑張りました。(本場所は)結構きつかったです。気持ちを切り替えて、失敗したことを直せるように」と時折笑顔を交えながら話した。「プレッシャーはありませんでした」というが、それでも場所前に140キロあった体重が5キロ減った。

 モンゴル出身だが、14歳までロシアのトゥバ共和国で両親と暮らしていた。「柔道、レスリングをやっていたのでスポーツをやりたいと思った」と父の祖国のモンゴルにスポーツ留学。そこでモンゴル相撲を始めた。全国大会で3位となり、白鵬が主催する相撲大会の白鵬杯に出場。鳥取城北高の関係者の目に留まり来日した。

 ロシア人の母は学校の先生で、現在もトゥバで生活している。「(先日)電話で話したら向こうはマイナス40〜50度と言っていました。それに比べたら、こっちはほぼ夏だよ、と言いました」と笑う。日本に来たばかりの頃は戸惑うことも多かった。「最初はさしみとか生ものがダメでした。でも3、4年目になるので慣れました」。今では部屋のちゃんこコ番も務める。「まだめちゃヘタですけど」。

 元横綱・朝青龍のおい、豊昇龍とは同い年で高校時代はタイトルを争ったライバル。先に入門した豊昇龍は順調に幕下まで出世しており「(今場所)少し近づけたかなと思う」とライバル心をのぞかせる。

 あこがれの力士はいないというが、「白鵬関とはやりたいです。目標は関取になること」と話していた。

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