松山、日本人初の海外メジャーVへ虎視眈眈 アイアン磨く

[ 2018年6月14日 05:30 ]

練習ラウンドで調整する松山
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 男子ゴルフの海外メジャー第2戦、全米オープンは14日から4日間、当地のシネコックヒルズGC(7440ヤード、パー70)で行われる。世界ランク10位・松山英樹(26=LEXUS)は同26位ザンダー・ショーフリ(24=米国)らとアウトの9ホールをラウンド。日本人初の海外メジャー優勝へ向け、淡々と準備を進めている。

 あと少しで手が届きそうな悲願の海外メジャー初制覇。それをどうたぐり寄せるか。9日から4日間で計2・5ラウンド。大会史上屈指の難コースと対峙(たいじ)した松山は険しい表情を浮かべていた。

 「全てがうまくいかないと勝てないとは思いますけど、まあ、そんな完璧なゴルフはできないと思うんで、ホントに一つ一つ無駄のないようにやっていきたいと思います」

 ほぼ四方を海で囲まれたリンクスコース。普段から風速6メートル前後の風が吹き、時折、12メートルを超える突風が襲ってくる。加えて膝上まで達する深いラフと急傾斜のグリーン。「フェアウエーは広いですけど、外してしまったら大変なことになるって感じですね」。勝利への正確な道程をはじき出すのは至難の業だ。

 13年の米ツアー本格参戦以降、最高の成績を残した昨季は3勝。昨年のこの大会で2位に入り、世界ランクも自己最高の2位まで上り詰めた。その快進撃を支えていたのは正確なアイアンショット。その最大の武器であるはずの精度を示す数字(パーオン率)が、今季は昨季の69・01%(16位)から68・27%(46位)に転落。わずか1%に満たない差異だが、世界最高峰の米ツアーではこれが命取りとなる。

 米国ゴルフ協会発行の公式ガイドブックでは世界ランク1位D・ジョンソンらと注目の9人に挙げられ「すぐにでもメジャーを勝つ力のある選手」と依然評価は高い。2月に痛めた左手親指付け根の故障は癒えたが、いまだゴルフは日替わり。不安はあるが「気持ちだけは前向きですね」と懸命に前を向いている。

<シネコックヒルズGC> ニューヨーク州南東部の島、ロングアイランドにある海に囲まれたスコットランド風のリンクスコース。マンハッタンから東へ約150キロ。この地域は高級別荘地としても知られる。1891年に創設された米国でもっとも歴史あるクラブ。当時は12ホールだった。94年に6ホールを加えて現在の姿に。同年の米国ゴルフ協会の創設に加わった5クラブの一つでもある。全米オープンは過去に1896年、1986年、95年、2004年の4度開催。前回大会の04年には丸山茂樹が4位に食い込んでいる。

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