狩野舞子 万感のラストスパイク 現役最後の試合をストレート勝ちで飾る

[ 2018年5月2日 20:15 ]

<黒鷲旗 第3日目 PFU・金蘭会高> 試合を見つめるPFU・狩野(右端)
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 バレーボールの黒鷲旗全日本男女選抜大会は2日、予選グループ最終戦が行われた。今大会限りでの引退を表明している狩野舞子(29=PFU)は、現役最後の試合となった金蘭会高戦を3―0のストレート勝ちで飾った。

 「特別なことやらず、自然体で行こうと、大会に入りました」

 狩野は今大会、ピンチサーバーで出場。この試合もそうだった。第2セット。サーブを打った後のラリーでトスが回ってきた。渾身の力で久しぶりのスパイク。「最後に1本トスを上げてくれて。びっくりした」。惜しくも決まらなかったが、すがすがしい表情。これが結果的に現役ラストプレーになった。華麗なスパイクで周囲を魅了してきた狩野にふさわしい締めくくりだった。

 「まだ実感がない」。試合後も涙はない。むしろ目立ったのは笑顔。今後については「何も決まっていません」と話した。

 中学時代から大器と言われたが、腰痛に加えて08年に左アキレス腱断裂、09年に右膝半月板損傷、10年には右アキレス腱を断裂。それでも海外リーグに挑戦するなど、前向きにプレー。ロンドン五輪では銅メダルを獲得した。その後、セッターに転向した時期もあった。「代表も経験した。ポジションも変わった。チャレンジした競技人生でした」と総括した。

 久光製薬時代の15年に、いったん引退。それでも「スパイカーとして」と2017年にPFUで現役復帰。「2年間、しっかり頑張って、辞めると決断した」。現役に再復帰する可能性には「ありません」ときっぱり。ケガと戦い続けた29歳は、やりきった充実感を漂わせてコートを後にした。

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2018年5月2日のニュース