朝比奈沙羅「出た芽は摘む」4歳下ライバルに“口撃”柔道全日本女子選手権前日会見

[ 2018年4月21日 18:25 ]

柔道の全日本女子選手権の前日会見に臨んだ、2連覇を目指す朝比奈沙羅(左)と初出場初優勝を目指す素根輝
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 柔道の体重無差別で争われる全日本女子選手権(横浜文化体育館)の前日会見が21日、同所で行われ、2連覇を目指す朝比奈沙羅(21=パーク24)と初出場初優勝に挑む素根輝(あきら、17=福岡・南筑高)が出席。静かな舌戦を繰り広げた。

 会見会場には朝比奈、素根の順に登場。程よい間隔を空けて着座すると、朝比奈は「昨年の世界選手権で負けてから、借りを返すという覚悟で1年間やってきた。(世界選手権の)銀メダルが価値あるものになるように死ぬ気でやりたい」、素根は「1戦1戦頑張りたい」などと意気込みを語った。

 互いに穏やかな表情を保っていたが、朝比奈が語る言葉は徐々に熱を帯びた。「皇后杯」の冠が付く大会への思いを問われると「皇后杯は死闘という言葉を体現した大会。命と命のぶつかり合いということを頭に入れて、死ぬ気で挑みたい」と並々ならぬ覚悟を語った。

 今月初旬の全日本選抜体重別選手権の78キロ超級決勝では、4度目の直接対決となった素根に初めて敗れて準優勝。4歳下のライバルについて問われると「素根選手が力を付けてきた表れ。素根選手の頑張りだと思う」と敬意を表したが、「去年は世代交代を宣言して優勝し、重量級を引っ張ってきた自負がある。初出場で勝てると思われたくない」と静かな口調でチクリ。さらには「出た芽は摘んでいく覚悟がある。リスペクトの気持ちを持ちつつ、自分が一番強いという思いを持ち続けたい」と刺激的な言葉を並べた。

 会見後には報道陣の求めに応じて握手を交わして記念撮影の応じた2人。最後までにこやかな表情は崩さなかったが、その後1人で取材に応じた素根は会見を振り返り「めっちゃ言うやんと思った。オーっと思った」と苦笑い。心は穏やかではなかったようで、「甘くないのは本当だと思うが勝ちきりたい」と語った。

 大会は今年9月の世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)の78キロ超級の最終代表選考を兼ねて行われる。朝比奈と素根が互いに勝ち進めば、準決勝で5度目の直接対決が実現。会見同様に目の離せない試合となりそうだ。

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2018年4月21日のニュース