璃花子 出場全4種目で日本記録更新6個「全部出したいタイムで終えられた」

[ 2018年4月9日 05:30 ]

女子100メートル自由形決勝、日本新記録で優勝した池江璃花子(右)
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 今夏のパンパシフィック選手権(辰巳)とアジア大会(ジャカルタ)の代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権最終日が8日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子の池江璃花子(17=ルネサンス亀戸)が100メートル自由形決勝で53秒03、50メートルバタフライ決勝でも25秒43をたたき出し、いずれも日本新記録で制した。自身の記録を100メートル自由形では0秒43、50メートルバタフライで0秒01更新。今大会で更新した日本記録はこれで6個となった。

 白熱した大会を締めくくったのはやはり池江だった。最終種目の女子50メートルバタフライ決勝では、スタート後に一度も息継ぎをしない“ノーブレ”(ノー・ブレス)に切り替えて日本記録を0秒01更新。「呼吸をしたら遅くなると思った」と直感で今大会6度目の日本記録を引き寄せた。

 各選手が疲労困憊(こんぱい)となる最終日でも、池江の燃料タンクに給油ランプは点灯しなかった。「いいレースの並び順だった」というように、試合間隔が約1時間空いたことでリカバリーできた。昨年の世界選手権7位、16年リオデジャネイロ五輪では4位に相当する53秒03という好記録を出した100メートル自由形の後でも、日本記録を更新できる底力を発揮。「全部出したいタイムで終えられた。ハイレベルなレースができた」と大会を振り返った。

 親友の応援も力に変えて乗り切った。この日、観戦に訪れたフィギュアスケート女子の樋口新葉(17=日本橋女学館高)から、LINEで「今日(応援に)行けるよ、頑張って」とメッセージを送られた。池江も「うれしい!頑張る」と返し、気合十分で過酷な3レースに挑んだ。

 以前、池江も3月の世界選手権SPで転倒した樋口をLINEで激励していた。樋口はその後フリーで一気に挽回。銀メダルを獲得した姿に「メダルを獲った新葉選手に刺激をもらった」という。プールサイドで樋口と目が合うなど、会場を見回す余裕もあった。「応援に来てくれる人も多くて、ここで(日本新を)出したら格好いいかなと思った」

 18年はいわゆる五輪の「中間年」で、アジア大会とパンパシフィック選手権が最大のターゲットになる。「パンパシでは世界のトップスイマーの中で実力を発揮して、アジアチャンピオンにもなりたい」。日本代表を率いる平井コーチを「実力がふた回りついた感じで頼もしく感じる」とうならせた高校3年生から、今年も目が離せない。

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2018年4月9日のニュース