刑事 2位守り五輪代表確保「やっと身に着いたもの出せた」

[ 2017年12月25日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権兼平昌冬季五輪代表最終選考会最終日 ( 2017年12月24日    東京都調布市・武蔵野の森総合スポーツプラザ )

五輪代表の切符をつかんだ田中刑事(撮影・長久保豊)
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 刑事の名前から「デカ」の愛称を持つ田中がSPの2位を守り、犯人ならぬ五輪代表を“確保”した。初五輪を懸けた重圧の演技は連続ジャンプが2度も単発になり、他のジャンプも2度着氷が乱れた。「余裕は全くなかった」と、“あぶない刑事”の状況を振り返ったが、結局、3度の4回転ジャンプ成功で、2度は出来栄え評価で高い加点を得たことが、切符につながった。

 「SPから1日空いた分、疲れを感じた。凄く心配だった。気持ちだけだった。乗り越えるのは今しかないという思いだった」

 勝負の一年に挑むにあたって、イメージした人がいる。ソチ五輪5位で、14年の全日本選手権で電撃引退した町田樹さんだ。幼少時から慕う倉敷市のリンクの先輩は五輪シーズンのGPシリーズで2勝。1年で急激に力を付けて代表の座をつかんだ。

 「成長する姿が試合で見えた。それが結果につながっている。あれぐらい変わる必要がある」

 9月末に腰を痛めてロシア杯を欠場。いきなりつまずき、復帰戦の11月の中国杯では練習不足で7位だった。それから「疲れ切って何も考えられない」ほどの猛練習で追い込み、町田さんのように急激に成長した。「やっと身に付いたものが試合で出せた」と充実感を口にした。

 林祐輔コーチは「(高橋)大輔からもアドバイスをもらった」と明かし、岡山のリンクから巣立った大先輩からの後押しがあったことも明かした。同じ94年生まれで、ノービス時代から競り合ったのは羽生。「少しずつ積み上げた」という努力で、ライバルと同じ舞台に立つ。

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2017年12月25日のニュース