阿武咲 新小結に、師匠・益荒雄旋風再現だ「魂入った相撲を」

[ 2017年10月31日 05:30 ]

師匠の阿武松親方(右)と握手する阿武咲
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 大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の新番付が30日に発表され、今年夏場所の新入幕から3場所連続2桁勝利の阿武咲(おうのしょう)が新小結に昇進した。21歳3カ月での新三役は、平成以降初土俵では6位の若さ。師匠の阿武松(おうのまつ)親方(元関脇・益荒雄=ますらお)は新三役の87年春場所で2横綱4大関を破って殊勲賞を受賞しており、愛弟子も旋風を狙う。

 幕内2番目の年少の阿武咲は福岡市西区の部屋宿舎で新三役の感慨に浸った。「小さい頃から三役は目標であり憧れだった。実感はないが、うれしい気持ちでいっぱい」。土俵上では見せることのない笑みを浮かべた。

 18歳だった15年初場所で新十両昇進。そこから幕内まで14場所を要したが、新入幕からは15日制が定着した49年夏場所以降では史上初となる3場所連続2桁勝利を挙げた。「目の前の一番に集中して取れるようになった」とぶれない心が躍進につながった。

 急成長の陰には、師匠の“後押し”もあった。関取になってからは地方場所で6場所連続負け越していた。そんな時、今年春場所、阿武松親方の故郷である福岡県糸田町で幸福を招くとされる「おかつ」のぬいぐるみをもらうと西十両2枚目だった今年春場所で9勝を挙げて新入幕を決めた。幕内2場所目の名古屋場所で10勝。あまり験担ぎをしない阿武咲も「いつも枕元に置いている」と御利益にあやかっている。

 21歳3カ月での新三役は、平成以降に初土俵を踏んだ力士では6番目の年少記録。上位5人の最高位は全て大関以上で、阿武咲にも大きな期待が懸かる。師匠は新三役だった87年春場所に2横綱4大関を破って殊勲賞を受賞。「自分も暴れられるように、魂の入った相撲を取っていきたい」と気合を込めた。

 対戦したい力士には憧れの存在である横綱・稀勢の里の名前を挙げた。「強い人と取れるのは楽しみ」。三役になってもチャレンジャー精神を失わず、きっぷのいい押し相撲を貫く。

 【新番付メモ】

 ▽照ノ富士 15場所ぶりの関脇。大関からの陥落は今年春場所の琴奨菊以来。

 ▽阿武咲 青森県出身の新小結は15年名古屋場所の宝富士以来。

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