北勝富士と貴景勝 埼玉栄出身コンビ、大関初挑戦で撃破の快挙

[ 2017年7月10日 05:30 ]

大相撲名古屋場所初日 ( 2017年7月9日    愛知県体育館 )

高安(右)を攻める北勝富士
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 世代交代の足音が土俵から聞こえてきた。高校相撲の名門、埼玉栄出身の若手コンビ、北勝富士と貴景勝がともに大関初挑戦で勝利し波乱の初日をリードした。

 まずは24歳の北勝富士。話題の中心、新大関の高安を「当たって砕けろ、という気持ち」で攻めまくった。立ち合いで、かち上げを空振りさせ、懐に入ってもろ差し。足を止めず押し倒した。

 7月1日に行われた二所ノ関一門の連合稽古に一門外から参加。このとき高安には6戦全敗の屈辱を味わった。その中には、攻めながら突き落とされて逆転負けした相撲があった。この日の一番も、最後は高安が起死回生を狙って首投げにきた。しかし、連合稽古の反省を生かし、逆転技が「頭にあった」と、油断なく攻めきった。師匠でもある八角理事長(元横綱・北勝海)からは「シンプルに潔く仕切れ。所作をてきぱきと」とアドバイスを受け、雑念も払っていた。

 こうなると埼玉栄の後輩、貴景勝の闘志にも火が付く。照ノ富士に一歩も引かずに突っ張り、相手が引いたところで突進。「思い切りいくだけ。まわしを取らせないことだけ考えた」と幕内最年少の20歳は、はつらつと振り返った。

 土俵入りでも近い位置にいた2人は「緊張することはない」と、健闘を誓い合い、言葉通りに物おじせず結果を出した。胎動し始めた新鮮な力が、熱い名古屋を一層熱くする予感が漂った。

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