元空手世界王者に賠償命令 大阪の高校部活でパワハラ

[ 2017年6月13日 17:02 ]

 私立東大阪大学敬愛高(大阪府東大阪市)の空手道部で、元顧問の空手指導者山田ゆかり氏(56)からパワハラを受けて適応障害になったとして、元部員の20代の女性2人が学校法人や山田氏に計715万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(野田恵司裁判長)は13日、計121万円の支払いを命じた。

 山田氏は1982年に世界空手道選手権大会の組手中量級で優勝。84年から同校で指導し、2013年からは全日本空手道連盟の理事を務める。

 判決によると、元部員2人は11年4月に特待生として入学。山田氏の意向で3年時のインターハイ予選前に練習参加を禁止されたほか、試合で生徒や保護者から応援されないなど差別的扱いを受けた。うち1人は試合出場の代わりに退部届の提出を求められ、大学推薦も拒まれた。

 野田裁判長は判決理由で「山田氏は空手道界で大きな影響力があり、部内でも絶対的な存在だった」と指摘。練習参加を禁止し続けた行為や退部届の強要は顧問の裁量を超えて違法と認定した。2人は適応障害やうつ状態と診断され、それぞれの精神的苦痛を踏まえて賠償額を算出した。

 同校は「コメントは差し控える」としている。

続きを表示

2017年6月13日のニュース