錦織 84年ぶり4強へ、マリーの壁破る 昨年全米OP再現だ

[ 2017年6月7日 05:30 ]

テニス・全仏オープン第10日 ( 2017年6月6日    パリ・ローランギャロス )

全仏オープンテニス第9日 男子シングルス4回戦でベルダスコを破り、ベスト8進出を果たした錦織
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 男子シングルスで世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)は、7日(予定)の準々決勝で世界1位のアンディ・マリー(30=英国)と対戦する。対戦成績は2勝8敗と大きく負け越しているが、昨年の全米オープン準々決勝ではフルセットの末に下している。日本男子では1933年の佐藤次郎以来、84年ぶりの4強入りに向け、全米オープンの再現を狙う。

 錦織の思わぬ発言に会見場は爆笑に包まれた。海外の記者から「昨年の全米オープンの対戦で覚えていることは?」と聞かれ、困った表情でこう返した。「記憶力悪いんで…。勝ったか負けたかも覚えてない。勝ったんだっけ?」。はい、勝ってます。準々決勝で大本命を破った3時間58分の激闘でした。

 本当に覚えていなさそうな錦織に代わって説明すると、対戦成績は2勝8敗。特に昨年は好勝負を立て続けに演じた。デ杯と全米オープンで5セットの死闘、ツアー最終戦でも3時間20分のマラソンマッチ。リオ五輪でも戦った。「何度も対戦してきたが彼はスマートな選手。いつも難しい試合になる。今回もタフな試合になると思う」という印象は間違っていない。

 試合のなかった6日は昼すぎから練習を予定していたが、直前の豪雨のためにキャンセルし、コートには姿を見せなかった。3、4回戦でのぞかせた右股関節付近の不安。「一番は体を、元には戻らないが良い状態にしておきたい。一日あれば回復もする」と語っていた錦織に対し、A・マリーは雨上がりのセンターコートで旺盛に練習をこなした。

 かみ合う2人のプレースタイルを考えれば、ラリーの長い激戦は必至。「メンタル的にもさらに準備ができていないといけない。簡単にポイントをくれないので、自分から取りにいかないと」。心技体の全てがそろってこそ、世界1位の壁は乗り越えられる。

 ▽昨年の全米オープン準々決勝の錦織VSA・マリー 当時世界2位で、直前のリオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したA・マリーと対戦。1―6、6―4、4―6、6―1、7―5と3時間58分に及ぶ熱戦の末に勝利した。錦織の勝利には英メディアも反応し、スカイスポーツ(電子版)は「閃光(せんこう)のようなフォアが最大の武器」と称賛。ガーディアン紙(電子版)も「錦織の芸術的なプレーをはね返すことができなかった」と驚きを込めて報じた。

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