張本 最年少8強、メダル王手 相手のじらし、揺さぶりも冷静

[ 2017年6月4日 05:30 ]

卓球世界選手権個人戦第6日 男子シングルス4回戦   張本4―1ピシュテイ ( 2017年6月3日    ドイツ・デュッセルドルフ )

卓球世界選手権第6日 男子シングルスで準々決勝進出を果たし喜ぶ張本
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 こそくな作戦に屈しなかった。張本の4回戦は、スロバキアの33歳ピシュテイ。感情を露骨に表に出し、じらし戦法に出たり、規定の16センチ以上上げたかどうか微妙なだまし討ちのようなサーブをしたりと、あの手この手で揺さぶってきた。

 「初めてそういう経験をしました。あの人、おかしいんじゃないかと、ベンチで言っていました」。倉嶋洋介監督も苦笑いだ。「ヨーロッパにはああいうオジサン選手がいる。いろいろいい経験になった」

 台上の天才ぶりが注目されるが、まだ13歳。5月23日の日本出発時は「学校は2週間前に久しぶりに行って、分からないところが結構あった」と、合宿や遠征が多いナショナルチームで中学2年生が過ごす難しさを口にした。遅れを広げないために工夫もしている。「飛行機の待ち時間や寝る前の30分とか。ちょっとだけど勉強する」。2回戦で水谷を撃破した後には「勉強ができたら卓球に生きる」と頼もしく答えた。地に足を着けて20年東京五輪に向かっている。

 13歳での8強進出は男女を通じてシングルスの最年少記録。メダルが懸かる準々決勝は、世界3位の許キン(中国)との対戦が濃厚だ。「変わらず1試合ずつ」とぶれない13歳に、底知れぬ大物感が漂っている。

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