美宇の強さの秘けつとは「小学校からの英才教育のたまもの」

[ 2017年6月3日 10:00 ]

卓球世界選手権個人戦第5日 ( 2017年6月2日    ドイツ・デュッセルドルフ )

快進撃を続ける平野美宇(AP)
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 日本が栄華を極めた50〜60年代は“動く卓球”だった。国際連盟と日本協会の前原正浩副会長によると、当時は「足を使って回り込み台の3分の2はフォアハンド」というスタイルで天下を取った。

 だが、道具の進化もあって片方に偏らずに両ハンドで打つのが世界の主流に。“使用率3分の1”だったバックハンドの弱さが浮き彫りになった日本は、「他国の進歩に置いて行かれた」と、長い冬の時代に入った。

 時は流れ、02年。日本協会は小学生のナショナルチームを創設。合宿には保護者や指導者も呼んで最新技術を紹介し、早くから国際経験を積ませた。その意図を、星野一朗選手強化本部担当は「小学校からグローバルスタンダードのスタイルを目指した」と明かす。海外で通用する選手を育てた。

 小学4年からジュニアの世界ツアーに出た平野は、モデルケースといえる。昨年は中国超級リーグに参戦。早い打点の攻めに自信を深め、4月のアジア選手権で中国3選手を破った。その戦法こそが東京五輪で打倒・中国をかなえると、前原副会長は見ている。

 「打球点の早さなんですよ。石川も平野を見て意識している」

 かつて世界に取り残された日本卓球。女子48年ぶりメダルの扉を開けたのは、世界最先端の高速卓球だった。

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