みまひな価値ある銅 完敗で得た確信「中国の壁厚くない」

[ 2017年6月6日 05:30 ]

卓球・世界選手権個人戦最終日 ( 2017年6月5日    ドイツ・デュッセルドルフ )

卓球の世界選手権女子ダブルスの準決勝で中国の丁寧(右端)、劉詩?組に敗れた伊藤(左から2人目)、早田組
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 女子ダブルス準決勝で早田ひな(16=福岡・希望が丘高)・伊藤美誠(16=スターツ)組は中国の丁寧(テイネイ=26)・劉詩?(リュウシブン=26)組に1―4で敗れた。1975年に優勝した国際ペアの高橋・アレキサンドル(ルーマニア)以来、日本勢42年ぶりの決勝進出を逃して銅メダルに終わった。

 なんとしても奪いたかった第1ゲームを、取らせてもらえなかった。早田・伊藤組は5―1としながら6連続失点。食らいついて10―10に追いついたものの、最終的に12―14で落とした。ラリーになると、中国ペアが上だった。伊藤の言葉が、最強国の底力を感じさせた。

 「競ったら本当に強い。こちらが9点の場面とか、一本かかったところで思い切って来た。1ゲーム目を取りたかった」

 丁寧は女子シングルスを連覇し、劉詩?は世界ランキング2位の実力者だ。台上の絶妙な位置に入れてくるサーブや、厳しい体勢に追い込まれながらも繰り出してくる強打。その世界最強ペアに、早田は気後れすることなく挑んだ。「負けじと取り返そうと、向かっていった」。痛みがある右膝に青いテーピングを施しながら、強打を見舞った。3連続で落とした後に意地の1ゲーム奪取。技巧派の伊藤とサウスポー早田が融合し、結成4カ月で銅メダルを獲得したのは、健闘という枠では収まらない進撃だ。伊藤も相手の力を認めつつも、「中国の壁は全然厚くない」と強気の言葉も続いた。

 決勝は逃したとはいえ、この種目の表彰台は2001年大阪大会の武田明子・川越真由組以来。さらに、未来に向けて明るい材料がある。女子シングルス・平野を入れた高校2年生の3人が、銅メダルを獲得した。

 「これから切磋琢磨(せっさたくま)して、東京五輪まで争いは続くと思う」と伊藤が語れば、「これは3人とも通過点。お互い成長したい」と早田も3年後を見つめた。15年中国・蘇州大会は、平野と伊藤の試合を「テレビで見ていた」という「ひな」は、この成績を弾みとしたい考えだ。2000年生まれの「みうみまひな」が五輪出場レースの中心になっていく。

 ◆伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日生まれ。静岡県磐田市出身。平野美宇とのペアで14年に世界ツアー・グランドファイナルのダブルスを日本勢で初めて制覇した。リオ五輪女子団体銅メダル。世界ランキング10位。1メートル50。

 ◆早田 ひな(はやた・ひな)2000年(平12)7月7日生まれ。福岡県北九州市出身。全国中学校大会を2連覇。16年オーストラリアオープンでワールドツアー初優勝を飾った。世界ランキング16位。1メートル66。

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