八村無念…ゴンザガ大、全米制覇ならず 名門・北カロライナ大がV

[ 2017年4月4日 13:48 ]

ウィリアムスゴスをなぐさめるゴンザガ大のフュー監督
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 男子バスケットボールのNCAAトーナメントは3日、アリゾナ州グレンデールのフェニックス大スタジアムに7万6168人の観客を集めて「ファイナル4」の決勝を行い、日本の八村塁(1年)が所属しているゴンザガ大は前半で35―32とリードしたものの、65―71で北カロライナ大に惜敗。後半の土壇場で競り負けて、チームおよびワシントン州の大学による全米初制覇は達成できなかった。

 ゴンザガ大はガードのナイジェル・ウィリアムスゴス(3年)がチーム最多の15得点をマーク。後半の残り4分39秒からは1人で連続8得点を挙げ、残り1分55秒には65―63とリードを奪った。チームの持ち味でもある守備力はこの日も健在。北カロライナ大の3点シュート成功率を14・8%(27本中成功4本)にまで抑えこんだ。しかしポーランド出身のシェメック・カナウスキー(4年)と、八村と同じ1年生ながら今大会に入って活躍していたNBAドラフトの注目株、ザック・コリンズ(1年)の両センターがファウルトラブルで後半はゴール下で思うようなプレーができず、コリンズは残り5分で5反則目を犯して退場。残り17秒でウィルアムスゴスが放ったシュートは2メートル8のケネディー・ミークス(4年)にブロックされて力尽きた。

 ゴンザガ大は今季39戦でこれが2敗目だが、2つ目の黒星が夢と野望を打ち砕いた形。イエズス会系の私立大学で学生数は北カロライナ大の3分1に満たない7800人しかおらず、その“小さなチーム”の快進撃が全米の話題となったが、最後は名門校の前に敗れ去った。

 昨年の決勝でビラノバ大に3点シュートによるブザービーターで敗れた北カロライナ大(33勝7敗)は8年ぶり6回目の優勝。今大会は南部地区の第1シードで臨んだが、その第1シードで決勝に残った試合はこれで4戦全勝となった。

 ただしゴンザガ大の粘り強いディフェンスに苦しみ、フィールドゴール成功率は35・6%にまで低下。それでもガードのジョエル・ベリー(3年)がチーム最多の22得点を稼ぎ、63―65で迎えた後半の残り1分40秒にはジャスティン・ジャクソン(3年)の3点プレーで逆転。このあとジャンプボールで再び攻撃権を握り、アイゼイア・ヒックス(4年)のジャンプシュートで68―65。残り12秒にはジャクソンがとどめのダンクを決めて激闘にピリオドを打った。

 日本の八村は1日の準決勝同様に出場機会はなかったが、留学1年目で全米の大学選手全員が夢に見るファイナル4の決勝まで経験。今季は28試合に出場して平均4・6分で2・6得点という成績しか残せなかったが、“リベンジ”がかかる来季は「前年準優勝校」の一員として注目を集めることになるだろう。

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