奨菊 稀勢に意地見せた 稽古で14番「やるしかない」

[ 2017年3月4日 05:30 ]

二所ノ関一門の連合稽古で琴奨菊(左)を退け、笑顔の稀勢の里
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 二所ノ関一門連合稽古が3日、堺市北区の尾車部屋で行われ、大関から陥落して関脇となった琴奨菊(33=佐渡ケ嶽部屋)が精力的に土俵に上がった。同じ関脇の玉鷲、高安らと6番(3勝3敗)取ったあと、新横綱・稀勢の里の胸を借りた。左差しで一気に寄り切る相撲もあり、敗れると「もう一丁」「ごっちゃんです」と先場所までは同じ大関だった相手に果敢に挑み、14番で4勝10敗。「やるしかない」と悲壮感を漂わせた。

 2場所連続負け越しで32場所在位した大関の座から転がり落ちたが、春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)で10勝を挙げれば1場所で大関復帰となる。左膝などの負傷で昨年夏場所を最後に2桁勝利はないが、得意の形になったときの迫力は健在だ。「これまでは(ケガを考えて)セーブしてきたところもあったが、それで失敗したところもある。壊れてもやるだけ」と全てを出し切る覚悟だ。

 昨年初場所では日本出身力士10年ぶりの優勝を飾り、ちょうど1年前は綱獲り場所だった。ライバルだった稀勢の里に横綱昇進で先を越されても「また頑張ってはい上がる」と気持ちは前を向いている。可能性がある限り、琴奨菊は挑戦し続ける。

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