稀勢の里いざ綱獲り!八角理事長太鼓判「いつも通り力を出せば」

[ 2016年7月10日 05:30 ]

真剣な表情で土俵祭りを見つめる稀勢の里

 大相撲名古屋場所は10日、愛知県体育館で初日を迎える。2場所連続13勝を挙げて綱獲りに挑む大関・稀勢の里(30)は9日、愛知県長久手市の田子ノ浦部屋で本場所で使用する紺色の締め込みをつけて最終調整。自分の相撲を取りきれば結果を残せるという自信を得て、綱獲り場所に臨む。

 綱獲り場所の舞台となる愛知県体育館で行われた土俵祭り。他の三役以上の力士とともに参加した稀勢の里は、充実感に満ちていた。報道陣に囲まれると「あとはやるだけです」と言葉に力を込めた。

 夏場所を終えてから約1カ月半、東京都江戸川区の部屋での稽古、香川県観音寺市での合宿、そして名古屋入りしてからの稽古で鍛錬を重ねた。本場所ではもちろん対戦相手の研究も必要になるが、今の稀勢の里は自分の相撲を取りきることを一番に心掛けている。相手は誰でも関係ない。2場所連続13勝を挙げ、考えは変わった。最終調整を終えてから「自分の力を出せば勝てると考えているか」と聞かれると「うん、自信を持ってやってます」と答えた。

 八角理事長(元横綱・北勝海)の考えも、稀勢の里と同じだった。「先場所、先々場所と力を出せていたわけだから、いつも通り力を出せば結果はついてくる」と評価した。綱獲りのプレッシャーについては「周りに言われれば意識するが、誰でも通る道。自分でかみ砕いて、整理して。要は気持ちの持ちよう」とアドバイスを送った。

 稀勢の里が力を出し切るために最も重要だと考えているのは、立ち合いだ。自らは小細工や駆け引きをしない立ち合いで、どれだけイメージ通りに立てるか。8日の稽古では立ち合いの調整に時間を割いたが、この日は本場所で使用する締め込みで再確認。頭の位置、踏み込みの1歩目などを微調整した。

 優勝どころか優勝決定戦にすら進出したことのない力士が綱獲り場所を迎えるのは異例。だが、今の稀勢の里には間違いなく横綱級の力が備わっている。自分を信じ、最強大関が横綱への道を突き進む。 

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2016年7月10日のニュース