松山 リオ五輪辞退も…メダル圏内もジカ熱「気になる」

[ 2016年6月2日 06:07 ]

車に乗り込む男子ゴルフの松山英樹

 男子ゴルフの松山英樹(24=LEXUS)が米オハイオ州ダブリンで31日、ジカ熱の流行が問題となっているリオデジャネイロ五輪の出場を辞退する可能性があることを明らかにした。松山は最新の世界ランキングで日本勢最高の15位。五輪出場枠が決まる7月11日付の同ランキングで日本勢上位2人の五輪出場圏内に入るのは確実。本番ではメダル獲得の期待もかかるが、出場に関して「ぎりぎりにならないと分からない」と明言を避けた。

 2日開幕のメモリアル・トーナメントに備えダブリンに入っている松山は試合会場で練習後、リオ五輪に関して「僕はまだ出るとも出ないとも言っていない。それは本当にぎりぎりにならないと分からない」と欠場する可能性があることを明らかにした。

 112年ぶりに五輪に復帰したゴルフでは、日程の厳しさなどからスコット(オーストラリア)らが回避を表明した。さらにジカ熱の流行が暗い影を落とす。シン(フィジー)は辞退を決断し、マキロイ(英国)も懸念を公言している。他競技でも男子バスケットボールのスペイン代表でNBAシカゴ・ブルズのパウ・ガソルがジカ熱を理由に欠場を検討している。

 松山が参戦を躊躇(ちゅうちょ)しているのもジカ熱が原因だ。「結婚していたり子供がいたりする人の方が気になると思うが、僕は結婚していないけど気になる。JOC(日本オリンピック委員会)からも、誰からも情報が入らない。そんな状態で行けと言われても不安はある」と吐露した。

 リオ五輪の時期は南半球は冬となるため蚊が少なくなるとの見方がある一方で、ジカ熱に関連して、世界の医師ら150人が五輪の延期や開催地変更を世界保健機関に提言した。その件にも触れて「150人の医師が延期しろとも言っている。(リオの)現状はどうなのか分からない。大丈夫かもしれないし、駄目かもしれない」とも話した。

 五輪出場選手は7月11日付の世界ランキングで決まる。日本の出場枠は男女とも上位2人になる見通し。出場枠に入った選手は同17日までにエントリーを済ませる。辞退者が出た場合は3番手以下の選手が繰り上がる。

 現在日本勢最高の15位につけている松山が出場圏内に入るのは確実。メダル獲得も有望視されるだけに、辞退すれば反響は大きい。周囲の期待も感じているのか「僕が断ったらどうなるのか、出ないと言ったらどうなるのかはちょっと怖い。そんな勇気が僕にあるのか分からないけど」と複雑な胸中ものぞかせた。

 ▽ジカ熱 蚊が媒介するジカウイルスによって引き起こされる病気。ほとんどの場合、症状はない。発症した場合でも症状は軽く1週間以内に治まる。主な症状は発熱、発疹、関節痛、目の充血など。まれにマヒ(ギラン・バレー症候群)を引き起こす可能性があり、妊娠中の女性が感染すると、出生異常の原因となる恐れがある。

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2016年6月2日のニュース